ただ、守らせてくれ
・・・父親と思われなくても、この仕事を否定されても、嫌われても良い
「の居場所を教えるつもりはありません」
にこりと笑う男をこれ程殴りたくなった事はない
「ただ・・・これからに会いに行くのでついて来るのは貴方の勝手ですよ。沢田綱吉」
死んでしまえ、六道骸
い*ち*と*せ-蟄虫坏戸-
「さん、器用ですねー」
フランの感心したような声にははにかんだ
の手には編み込まれた花飾りがある
「おばあちゃんに教えて貰ったんです」
教えて貰った日のことをは今でも鮮明に覚えている
大事な大事な思い出だ
綺麗に輪になったところでふぅ、と一息ついた
サワ、穏やかに風が吹き抜ける
不意には顔を上げた
「相変わらず勘が良いですね」
「骸さんっ・・・!」
ほんの数時間前に会ったのに長い間会っていなかったようだった
思わず手を伸ばすと苦笑しながら抱きしめてくれた
「ウ゛ァリアーの連中に虐められませんでしたか?」
「みんな優しい人達です!」
「君は相変わらずですねぇ」
「師匠何やってんですかー」
「オチビこそ。より気付くのが遅いてはどういうことですか」
・・・師匠?
「フランさんと骸さんはお知り合いなんですか?」
「不本意ながら、そうですねー」
骸の腕に懐いていると無表情で見ていたフランも手を広げてきた
「?」
「さんミーにも抱っこさせて下さいー」
「えっ」
「。馬鹿は気にしないで良いですよ」
「えっ」
「師匠酷いですー」
・・・あ、あう
そろりと降りようとすれば骸が必要以上の力を入れてくる
どうあっても降ろすつもりはないらしい
「む、骸さん。私自分で歩けます」
「おや、そうですか?」
なんて言いながらも手は緩まない
「オチビ。ザンザスは何処ですか?」
・・・結局、運ばれるらしい
後ろから何かぶつぶつ言いながらフランがついて来る
申し訳なくて骸の裾を引っ張ると恨めしげに見つめる
苦笑された
「予想はしてましたが」
「?」
「ならウ゛ァリアーの連中とも仲良くなるだろう、と」
「・・・みんなが優しいからです」
吐息のような囁きだったが骸には聞こえたらしい
小さく笑う振動が伝わる
「あまり懐かれると僕の立場が無いでしょう」
・・・ぽすん、無言で骸の肩に顔を埋める
「耳まで真っ赤ですよ。」
「・・・骸さんは優しいのに意地悪です」
これもどうやら聞こえたらしい。声をあげて笑われた
***
「招いた覚えはねぇ。消えろ」
ザンザスの第一声に硬直したのはだった
言われた本人、骸は悠々とソファに座り紅茶を飲んでいる
「さーん。ミーに抱っこさせて下さいー」
反対側からフランがしきりに手を伸ばしてくるがそれどころじゃない
「心配しなくてもすぐ帰りますよ。と一緒に」
「ソイツは此処に居た方がマシな暮らしが出来るだろ」
どこか挑発的に赤い瞳に見つめられては困ったように俯いた
「それは沢田綱吉に言って下さい」
対して骸は楽しそうに呟いた
「・・・ツナ君が来るんですか?」
目を丸くしてが声を上げる
「骸っ!」
ほぼ同時に扉が開いた
更にほぼ同時にはソファに押し倒された
「ゲロッ」
光線、爆音、そして
「勝手に入ってくんな」
「・・・随分な挨拶だねザンザス」
「おチビ、早く起きなさい。が潰れてしまいます」
(・・・今の)
声が
ぬっと現れたエメラルドグリーンの瞳には瞬いた
「さん怪我とかしてませんかー?」
「だ、大丈夫です」
ある意味稀な体験をした
そうそう無いだろう。一日2回も爆発に巻き込まれるなんて
ゆっくり起き上がるのをフランが手伝う
耳がぐわんぐわんしてるが大したことない
それより
「目障りだって言ってんだ」
「ドアの修理費ぜったい経費で落とさせないから」
「・・・ツナくん」
の声はそう大きくもなかったが皆、聞こえたらしい
・・・大好きな人がそこにいた
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