本当にあっという間だった

目を閉じたと思ったらすぐにアラームが鳴り出した

それから正座してる二人が目に入った




本日ハ晴天ナリ





パターン1

「・・・アイツ今度は何やらかしたんだ?」

「昨日の事引きずってるんじゃねーの?盛大にやらかしたし」

「にしてはの様子も可笑しいけど・・・」

「「「「?」」」」

パターン2

「・・・ちゃん?」

「疑問系にしなくともあれは間違いなくだ。風祭」

「・・・だよね」

・・・それにしても

「何があったのかな・・・?」

パターン3

(昨日言った事は何一つ効果無かったみたいだな・・・)

空気が重い

その重い空気の原因、と思われるものはテーブルの一角にあった

マネージャー3人で朝食中のそのテーブルに近づこうという強者はいないらしい

「・・・三上」

「あぁ?何だよ」

(・・・さっきからマネージャーさんを目で追ってるぞ。

 というか睨んでるぞと教えてやって良いものか・・・)



「・・・ちゃん、大丈夫?」

そんな問いにゆっくりと顔を上げる

焦点がなかなか合わない いつもの三倍くらいロスタイムがある

それでもようやく像を結んだ視界に今にも泣きそうなの姿があって頑張って笑った(たぶん笑えなかった)

こそ・・・薬効いた?」

さんが太鼓判を押してる二日酔いの薬というのはあえて省略させて頂いた

「・・・ごめんね」

何度も謝られるとかえって困る

そうなのだ、朝から何度の泣きそうな顔を見たことだろう

まず最初に枕元にさん二人して座ってる姿で一回それから歯磨きしてる時に一回それから着替えてる時に部屋を出る直前にも・・・

(もうよそう。考えるだけで疲れてくる)

そうだ、今の私はエネルギィ切れなんだ。ゲームで言うなら赤の点滅が付いているところだろう

会話するのだって億劫なんだ

「・・・怒ってる訳じゃないんだよ。」

「あう・・・」

あう、って何語ですか?日本語ですか?

「ただ二度目は玲さんに叱ってもらいます」

の隣に座っていたさんまでびくっとなった

・・・ちょっぴりしめしめと思ったのは内緒です


「・・・どうしたの?三人とも」

「「「イイエ、ドウモシマセン」」」

そう言って一人は思いきり顔を逸らし一人は苦笑いをし一人は首を傾げて見せた

・・・言わずもがな何かあったと語っている

でも誰も口を割らない。割れる訳がない

というわけでみんなで どうもしません。 を貫き通している訳である

「? 

 じゃあ今日の日程を説明するわね?」

ほ、と小さくため息

ジリジリと太陽が熱い

さんから隈を隠す為に薄く化粧をされたけどこれじゃあ化粧が落ちるんじゃないだろうか?

うむむ・・・

とりあえず一通り今日の日程を聞いて準備にとりかかった


・・・あぁ無情


時よ止まれ!と棒を振り回したってもちろん止められる力はない(そして今私が持ってるのは棒じゃなくてコーンである)

袖口で汗を拭ってコーンを抱え直す

この仕事が終わったら次は洗濯を希望しよう。人と触れ合わず半分は室内で洗濯機を回しておけば良いなんて今の私には十分過ぎる仕事だ


「おっあの子も美人じゃん!」

ん?今なんか聞こえたような

下げていた視線をゆっくりと上げる


何か走ってきた


牛?いやまさかこんなところに牛がいるはずない

見かけは人間だ

でも一直線に走ってくる姿は牛のようだ

え、一直線?

そう一直線

やっぱり今日の私は駄目だ。頭の回転が鈍ってる

どこか遠くでの声がする「ちゃん!」はいはい。私がちゃんですよ。何か?

牛のような人間が向かってきてるのは自分の方だと理解した時にはもうその距離は5メートルを切っていた

そして覚醒した私の反応は早かった

きっと脳からこんな指令が下されたに違いない

『びっくりしましょう』

そしてその通りびっくりした

ただ、そのびっくりの仕方が普通と呼ばれるかどうかは定かじゃないけど


手に持っていたコーンを思いっきりその人に投げつけていた

ガゴンッゴッ

「いってぇー!!」

胴体を狙うんじゃなくて思いっきり顔めがけて投げたからそりゃ痛かっただろう それなりの音もしたし

顔を押さえながらその場にしゃがみ込んでしまった牛のような人間をほっといて良いものか

逃げるべきなんだろうけどこのコーンを運ぶのが私の仕事なのに置いていって良いものか

私に叫ぶ元気が無かったのは幸いだなぁ・・・なんてぼんやり思った

ちゃんっ!平気?」

に名前を呼ばれて顔を上げるとだけでなくさんも一緒に走ってきた

「・・・この人変質者?」

ちゃん、落ちついて。」

どうどう、といわんばかりにさんが肩を叩いて落ち着かせようとする

・・・どうやら相当据わった目をしていたらしい



変質者もしくは牛 だと思ってたのは実は選抜のメンバーで

しかも結構有望なAグループで

慌てて駆け寄ってきた尾花沢監督に怒られるまであと少し。




--------------後書き---------------------------------------------------------------

うん、すごく切りが悪い!
何だか調子に乗って書きすぎました。
そしてその割にキャラとの絡み少なすぎるしね・・・
かろうじて鳴海と初対面果たしてコーン投げつけて終わっちゃったよ・・・

                              4月29日 砂来陸

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