そういやあいつ・・・

(何でおにぎりなんか持ってたんだ?)

なんて思ってももう後の祭り




本日ハ晴天ナリ





「「ちゃんお帰りなさい!」」

部屋に入るや否や元気な声で迎えられた

「ただいまさん」

挨拶を返すとさんは笑顔だったけどの方は何だか驚いた顔をしていた

「?どうしたの

ちゃん何か良いことあった?」

「え?」

「とっても嬉しそう」

・・・どうしようそんなに顔に出ちゃってたのかな

思い当たる事は一つ つい先ほどの出来事

兄に会えただけでこれだけ元気になっちゃってる自分が恥ずかしいよ・・・

「何があったの?」

嬉しそうに尋ねてくる

(い、言えない・・・)

「えーっと・・・、その話はまた後でね?」

「えっちゃんまた出かけちゃうの?」

へにょりと眉を下げるが非常に愛らしい

「うん、ちょっと部屋割を見に来ただけだから。すぐ戻ってくるから、ね

 そしたらみんなで玲さんの所行って明日の予定聞こう」

全然納得した風じゃないには申し訳ないけど私も照れたりでの返事も聞かず逃げるように部屋から出てしまった


バタン、と無情にもドアが閉まる

「・・・ちゃん」

がっくり、とが閉じたドアの前に崩れ落ちた

軽く涙目である

「せっかく夜はいっぱいいっぱいおしゃべり出来るって思ってたのに・・・

 せっかくお泊まりなんだからいっぱい楽しいことしたかったのに・・・」

そんな彼女の鞄の中にはトランプやらカメラやら入ってる(準備してる途中翼に「お前何しに行くの?」とつっこまれた)

ぽん、との肩に手がおかれた

振り返るとにっこり笑顔のが立っていた

「まぁまぁちゃん。こうなったら秘密兵器よ!」

首をわずかに傾げたはすごく楽しそうに鞄からあるものを取りだした


って人の表情に敏感なんだなぁ・・・あれ、それとも私がすぐ顔に出ちゃうだけ?)

心のどこかで自覚していて、だけど認めたくないことを指摘されてしまうとどうも逃げたくなってしまう

こういうのをあまのじゃくって言うんだろうな

まだ頬は熱を孕んでいる

出来ればこの赤みがとれてからにしたかったけれどこれ以上遅くなるのはちょっと頂けない

「・・・と、この部屋だ」

ようやく目的の部屋を見つけた

ノックをして小さく深呼吸した

プレートには将君と不破君それから知らない子が2人載ってる

日中あれだけの印象を与えたんだ 知らない子が出てきたら最悪ドアを閉められるかもしれない

何て考えが頭をよぎった



だけど聞こえたのはとても知っている声で

「不破君・・・」

不破君は部屋に招き入れてくれた

ちょっとためらったけどここに立ち尽くしておくわけにもいかないのでお言葉に甘えた

どうやら今この部屋には不破君しかいないらしい

「何の用だ?」

「えーっと・・・将君にちょっと用があったんだけど・・・」

あれ、なんかムッとしてる

昼間といい私なにか貴方を怒らせるようなことを言いましたか?

「ふ、不破君、今日の練習どうだった?」

こういうときは話を逸らすに限る

だって私、不破君がなんで怒ってるのか昼間も今も分からないんだもの・・・!

「あぁ。飛葉中の椎名翼と会話をした」

「・・・・」

とてもツッコミにくい感想・・・というより報告をされた

うん、次に何て言って良いのか分からない

「俺はフィールドプレイよりGKの方が向いているらしい」

「・・・私としてはGK仲間が増えるのは嬉しいな」

どうにかこうにか会話を続けてみる

はGKが好きなのか?」

「うん」

こればかりは即答だ

私はGKが好き。

今までもこれからもそれはきっと変わらないだろう

「そうか」

不破君は何やら考え込んでしまった

あれ、もしかしてこれって意見押しつけちゃった・・・?

「ふ、不破君今のは私の勝手な意見で不破君がフィールドプレイが好きって言うんだったら別に「

ぴしゃり、とセリフを切られて(実際は普通に名前を呼んだだけかもしれない。だけど不破君って妙に迫力あるから)

「は、はい」

「俺は今後ともGK一筋でいくことにする」

「はい?」

どうしたんだ不破君。一体何の宣言だ

「俺は今後ともGK一筋でいくことにする」

どうやら「はい?」を疑問と取ったらしく不破君はもう一度同じ言葉を繰り返した

いや、さっきもちゃんと聞こえていたんですけどね

そして不破君。昼間もだったけど何でそんなに顔を近づけるかな

一体何と答えれば彼は満足してくれるんだろう

少しずつ後ろに下がれば同じだけ距離を詰めてくる・・・デ・ジャヴだ!

「うん、あの、えーっと・・・一緒にがんばろー?」

ろーに合わせて手のフリも付けてみた。どうだろう

「あぁ」

ゆっくりと離れていく不破君

どうやら納得してくれたらしい

そして

ほっとしたのもつかの間ドアが開いた



-----------------後書き-------------------------------------------------------------

なんじゃこのウダウダ感!!
何だか選抜始まってから不破君がとっても扱いにくいキャラになってしまいました。
でも彼好きです。
出来れば以前日記で書いてた番外編を書いてあげたいくらいに。笑

                           7月16日 砂来陸

Next