「ち、ちょっと先輩あれなんすか!?マジで怖いんすけど!!」
ぐいぐいと袖を引っ張る後輩の本気で怯えきった声にどうしたものか、と内心首を捻った
「そうだなぁ・・・」
可笑しいなぁ、自分がさっき喋ったときはもうちょっとこう・・・可愛らしい感じだったと思うが
「つーか あれマネージャーっすよね?3人目の
自己紹介の時から可笑しいって思ってましたけどまさかあそこまで・・・」
「・・・藤代、それはさすがに失礼だぞ」
「だって先輩!
あの人包丁振り上げて仁王立ちだったじゃないですか!!普通あんなことする人いませんよ!!??」
(・・・それは否定出来ない)
本日ハ晴天ナリ
「あんた見かけによらず威勢が良いんだねぇ!」
「ははは・・・どうも」
気に入ったよ!なんて言いながら背中をばしばし叩くおばさんに乾いた声で愛想笑い
何せ喜んでるのはこの人くらいだろう
ようやく昼食が始まってにぎわいを取り戻した食堂に出る勇気はなく、裏方でひたすら皿洗いをしながら願う
(どうかさっきの出来事をみんなの記憶から抹消して下さい・・・)
特に、亮から
「っちゃーん!」
ハートマークが後ろに付いてそうな声で呼ばれた
呼んだ本人は分かってる
・・・無視する訳にもいかず皿を洗っていた手を止めてそぉっと顔を出す
「ちゃんお疲れ様!」
「・・・お疲れ」
何がそんなに嬉しいのか、とっても笑顔な
「さっきのとっても格好良かったぁ!」
訂正だ 喜んでる子がここにもいらっしゃった
「噂はかねがね聞いてたけどちゃんってホント可愛いのね〜
お姉さんときめいちゃったわよ」
さらにもう一人
しかも軽く可笑しな発言ありませんでしたか?
「お疲れ様ですさん・・・」
聞こえた発言は軽くスルーしてしまって挨拶する
何だろ・・・同じマネージャーなのにこの二人ってすごく華やかだなぁ
例えるなら背景に花って感じ
そして私の場合は雷が鳴ってる感じ
・・・この差は何なんだろう
「あっちゃん俺等と一緒にご飯食べないー!?」
「ずりぃぞ!ちゃん俺等と食おうぜー!」
「じゃあさん俺等とどうっすか?」
「さーん!一緒食べましょうよー!」
・・・いつの間にか二人は立派なアイドルになっていた
笑顔で是の返事をする二人はとっても社交的に見えた
(何か私一人すごーく場違いな気がする)
明らかに目が合わないようにしてる選手の皆様とか
「あっちゃんも一緒に食べようよー!」
こっそり厨房の中へ戻ろうとしたらからそう声を掛けられた
「げっ」
「えっ・・・ちゃんそれは〜・・・」
ついでに言うとすごく戸惑った選手の声も(悪く言えば嫌がってる声)
そこまで露骨な反応をされてしまうと悲しくなってしまう
が、それを顔に出すことはしない
「こっちの片づけが終わったらね」
ひらひらと手を動かしてそう言うとからは「分かった!」と嬉しそうな返事が返ってきた
ごめんね。みんなが食べ終わるまで私出られそうにないから
期待させてしまって申し訳ない、と一人こっそり懺悔した
(別に今更なんだけど・・・)
相変わらず人付き合いが下手だなぁと思う
墓穴を掘ってどん底まで落ちていった自分にため息しか出てこない
(別に好かれたいとまではいかないけどさ)
でも出来れば・・・
せっかく亮も来てるんだし少しくらい安心させる姿を見せてあげたかったのだ
(見るも無惨な結果に終わりましたけどね)
こうなったら徹底して亮と会わないように努力してやろうかな、なんて真剣に思い始めてしまった
そんな願いは努力しなくても叶うこととなる
まず、洗い物っていうのはみんなが食べ終わった後にこそ出てくるもので結局達と一緒にご飯食べる時間には終わらなかったし
ようやく洗い終わって私もお昼ご飯を一人寂しく一気食いして
やっとの思いでグランドに行ったらみんなの練習を見る間もなくドリンク作りとかあって(渡すのはとさんに頼んで逃げました。ごめんなさい)
そうこうしてる内にAチームは練習を終えてしまっていたのだ
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笛キャラと絡みなくて御免なさい。
なんともスランプならぬ文章の書き方から抜けている砂来です。
苦情は受け付け・・・ざるを得ない状況と自負しております。ハイ
とにかく何だかんだでみかみんとの絡みが延期しちゃったことだけは確かですね・・・
2月2日 砂来陸
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