私が驚きのあまり悲鳴を(どっちかっていうと雄叫びの様だった。と亮に言われた)上げたとき
みんなも驚いて思いっきり注目を集めていたという話は
のちのち亮に聞かされる事になるのでまだ私は気付いていなかった
本日ハ晴天ナリ
芝生の上にひっくり返ってる私を3秒ほど眺めて不破君はようやく納得したようだ
「分かった。以後気を付ける事にしよう」
「分かってもらって嬉しいよ」
すっと手を出されたので遠慮無くそれを掴ませてもらって立ち上がらせてもらった
とん、とまた近い距離になる
久し振りに会っても不破君はやっぱり無表情で初対面だったら怒ってる?と錯覚しそうになる
だけどそんな所も含めて不破君らしいなと思ってしまった
「ホント、久し振りだね 元気だった?」
「健康状態に至っては問題ない」
思わず笑ってしまった。ほら、やっぱり不破君らしい
「まさかこんな所で逢えるなんて思ってもみなかったから・・・」
というか誰が来るなんて良く考えて無かったんだよね。うん
「俺もまさかこんな所でに会うとは思ってもいなかった」
「あはは。お互い様だったね」
「あぁ。風祭も驚いてた」
「えっ将君も来てるの!?」
不破君は一つ頷いて選手が集まってる所を指さした
ここからじゃ見えないがどうやらあの中に将君がいるらしい。
(そっか・・・将君も選抜に選ばれたんだ)
サッカーが大好きな将君
きっとこれはプロへの道に一歩近づいただろう
「」
「え?」
ぼーっとしてたら不破君に名前を呼ばれて我に返った
ぬっと
また顔を至近距離で見つめられていた
「え、ふ、不破君?」
「何故そんなに嬉しそうな顔をしている?」
「は?」
少しずつ上体を反らしていくけど不破君との距離は一向に縮まらない。
つまり反らした分だけ不破君も近づいてるんだ
顔近い!近い!!
「俺と会った時よりも風祭の名前を出したときの方が嬉しそうな顔をしているのは何故だ?」
そんな事を聞くためにここまで至近距離に迫ってるのか不破君!?
「そ、そんなに嬉しそうな顔してた?」
「していた」
きっぱりと断言された
・・・そんなこと言われてもね
そんなの無意識の表情なんだから何とも言い様がない
だけど将君に聞いた話、不破君は根っからの学者肌らしいので一度考え出したらきちんと結論まで求める人間らしいからきっと無意識なんて言ったって納得してくれないだろう
(えーっとえーっと。不破君に会えて、将君も一緒で、二重に嬉しかった。っていう理由じゃ納得してくれないかな?微妙な所だな)
必死になって上体を反っている
でも一向に距離は縮まらない
そろそろ倒れるんじゃないだろうか、っていうくらい体を反っていると
「不破」
苦笑混じりな声で助け船が出された
いきなり登場してきた大きな人にただぱちぱちと瞬きを繰り返す
(・・・誰?)
ただただ凝視していると向こうも気付いたようで苦笑のまま軽く礼をしてくれた
つられて会釈を返す
「何だ、渋沢」
「何だ、じゃないだろ。マネージャーさんが困ってる」
「別に困らせてなどいない」
いや、とても困ってましたよ?
きっぱりと言い切った不破君に脱力しながらもこの、助け船を出してくれた人をみた
どうやら、不破君とは知り合いらしいこの人
身長はわりと高めで体格も良い
桜上水の友達かな?不破君はこの人の事なんて呼んでたっけ?
えーっと確か・・・しぶさわ?
ん、渋沢?
頭をよぎるのは地域新聞や雑誌
それからインタビューのヒトコマ
「・・・渋沢さん?」
思わずその名前を復唱してしまった
「はい?」
渋沢さん、が返事をする
「武蔵森の守護神の渋沢さん?」
まじまじと顔を凝視してもう一度尋ねる
渋沢さんは驚き顔に変わった
「・・・どこかで会ったことがありますか?」
「・・・いいえ、初めましてです」
「「「・・・・」」」
無言になってしまった私と渋沢さんをさらに無言のまま観察している不破君
魔の三角形が誕生した
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変なところで切ってしまって申し訳ない。
最近文才が欲しくてたまらんです。
でもようやく新キャラを出すことが出来ました。渋沢キャプテン
たぶんみかみんに妹がいることは知らない渋沢キャプテン
でも不破君を活躍させてあげたい今日この頃です。笑
9月17日 砂来陸
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