爽やかなグリーンをバックに
鮮やかな青いスポーツカーが止まった
青いスポーツカーからは３人降り立つ
２人は楽しそうに
そして
１人は真っ青な顔をしていましたとさ
本日ハ晴天ナリ
・・・もちろんその一人は言うまでもないだろう
「ちゃん・・・大丈夫？」
「ん・・・」
肯定とも否定ともとれないような返事を返す
これで分かる事と言えばかろうじて生きてるな、って事くらいだ
「ごっごめんねちゃん！まさか乗り物に弱いなんて思わなくって・・・！」
近くにあった自動販売機で買ってきてくれたらしいスポーツドリンクをさんが差し出す
・・・普通に考えてあんな運転されたら乗り物に強い弱い関係なしに酔う人は酔うんだと思うんだけど・・・
でも今はスポーツドリンクが嬉しいので素直に受け取った
まぁ私が乗り物に弱いのも事実だし・・・
小さい頃から自分家の車でも酔ってダウンしてたもんね・・・
「ちゃん、本当にごめんねっ」
本当に申し訳なさそうに頭を下げてくるさん
この人はホントに悪気はなかったんだろうなぁ
ほら、運転って自分がすると滅多に酔わないって言うじゃないか
「良いですよ。そんなに気にしないで下さい」
今できる精一杯の微笑みを添えてそう言うとさんはようやく落ち着いてくれた
・・・とは言ったものの
この状態でマネージャーの仕事なんて絶対できっこない
今、炎天下の中走ったりしたら間違いなく倒れるよ、私
「ちゃん。お姉ちゃんに私から言っておくからしばらく休んでて？」
「・・・」
「で、元気になったら一緒にお仕事しよっ？」
・・・今回は
そんなのお言葉に甘えてちょっと休ませてもらうことにしました
部屋から出て行く２人を見送ってベットの壁際に座る
寝そべるよりも背もたれがあるこの体勢の方が何となく楽だからだ
そのまま体育座りをして膝と額を付き合わせた
「んっ・・・」
そんな奇妙な体勢のまま、いつのまにかうとうとしてたらしい
ドアをノックされてゆるゆると視界が戻ってきた
「ちゃん、ちょっとは良くなった？」
ドアを開けてぴょこんと入ってきた
「あー・・・だいぶ楽になったかも」
まだ半分寝ぼけてる所為もあって体の動きはぎこちないけどだいぶ気分は良くなった気がする
そう言うとぱっとは嬉しそうな顔になった
「良かった！えっとね、今ミーティングが終わってね、これから外で技能テスト？をするんだって」
何で技能テストが疑問系なのかしら？（たぶん良く分からないままにここに来たんだね、・・・）
「そっか、じゃあ行こうかな」
「うんっ」
早く早く、とに急かされ手を引かれながらグランドに向かった
合宿所から一歩出るとそこは一面緑が広がっていた
「うわぁ綺麗な芝生・・・！」
ホントは来たときも見てるハズだけど車酔いしててそれどころじゃなかったんだろうね、私
一面に広がる綺麗な緑色
思わず感嘆のため息が零れてしまう
「ちゃん、こっちこっち！」
そのまま芝生へダイブしたいなぁなんて思ってるとにぐいぐい手を引っ張られて我に返った（さん、ありがとう）
私は芝生にばっかり目がいってたけどコートには選手らしき人がもうみんな集合していた
もちろん、玲さんや他にも今回の主催者らしい人達も
「コーチ！ちゃん連れてきましたぁ」
コーチ？ピンとこない呼び方だったけどすぐに玲さんがこちらに駆け寄ってきてくれた
「ちゃん、体調の方はもう大丈夫？」
「はい、ご迷惑をおかけしました」
本当だよね、来て早々寝込むって・・・自分で言いながら悲しいよ
「良かったわ。それじゃあ早速みんなに自己紹介してもらおうかしら」
そう促されてふと見ると選手達みんながこっちを注目してることに気付いた
・・・えっこの中で自己紹介ですか・・・！？
「えっと・・・」
イキナリのことで何も考えてなかった
きっとさんとはもう自己紹介をした後なんだろう
一人だけぽーんと舞台に立たされたようなものすごいプレッシャーを感じる
たくさんの視線
見間違いじゃなかったら４０人近くはいたであろう選手達
「えっと・・・」
そんな８０個の目に耐えられ無くって思いっきり俯いたままぼそぼそと喋る羽目になってしまった
横でが「頑張って」って言ってくれてるけど回れ右をしない時点で私にとっては充分頑張ってる、と言える
そして真っ白な頭で考えに考えぬいてようやく自己紹介をした
「・・・どうも。マネージャーです」
全くを持って何一つわからない自己紹介だことで。
-----------後書き------------------------------------------------------------------
笛キャラどうした！？
ここ何回分オリキャラだけで進んでるかしら？って感じです。
次回からはようやく笛キャラと絡むんじゃないかなぁ・・・？（希望系）
７月３日 砂来陸
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