天気は快晴
真っ青な空に浮かぶ太陽が眩しい
そんな日に
真っ青なスポーツカーに乗って
その人はやってきた
本日ハ晴天ナリ
えー、いきなりですが今日、選抜合宿一日目です
「忘れ物なし、戸締まりもしたし・・・」
えーっとえーっと・・・あぁもう何かバタバタしすぎて頭が可笑しくなりそう!
持っていくスポーツバックを玄関まで引きずる
そこで火の元が気になってもう一度台所へUターンした
「あぁもう!」
一体何が何だか!
いつもはもっと余裕のある支度をするのにこれだけ慌ててるのは理由がある
率直に言うなら 玲さんに貰った資料の日付が間違っていたのだ
本気で焦ったねあれには・・・
翼達と微妙に会話がかみ合わないなぁと思ったらそんな事情があったとはね、って
火の元をもう一度チェックしてまた玄関に戻った
が迎えに来るハズなのだ
靴を履いて座り込む
「・・・何か行く前からどっと疲れた気がする」
ここ数日かなり忙しかった
マネージャーとして精一杯頑張ろうって決意したばっかりだから
本当に、自分に出来る精一杯をやろうと思う
そこで玄関のチャイムが鳴った
「はーいっ」
ノブに手を掛けてドアを開ける
「。迷わずに来れた?」
まぁ尋ねてきたのはだって分かってたから開くのと同時くらいにそう言った
だけど
「貴方が・・・ちゃん?」
思ってた所より高いところから声が聞こえて
あれ?
ゆっくり顔を上げると
明るい茶色髪が光に透けてオレンジに見える(あれ、は赤みが強い髪だったよね?)
顔はそれなりに化粧をしてて・・・何か今時の大学生、という感じだった(あれ。・・・じゃないよね?)
そして何より美人
「・・・どちら様で?」
思いっきり勘違いしてた自分がすごく恥ずかしくて3秒コンマ溜めてからようやくそう尋ねることが出来た
だってまさかこのタイミングで勧誘の人とか来る訳ないと思ったんだよ!!
「ちゃん、で合ってる?」
「え、あ。はい」
何で私の名前知ってるんだ?
そう尋ねようと思った
「美少女!!」
・・・一体何が起こったんですか?
今あるのは何かこう・・・柔らかな感触
「さすがまだ十代・・・お肌もぴちぴちね!!」
そんなこと恍惚とした声で言われても・・・
Q.・・・今私、どんな状態?
A.抱きしめられてる状態
いやいやいやホントに何されてんの私!?
しかもこの柔らかい感触って思いっきりこの人の胸だしね!!
初対面の人の胸に顔埋めてる私って何!?(すごい表現がエロティックでヤダ)
って言うか誰!?
「ちゃん セクハラ〜」
抱きしめられたまま固まってると(っていうか身動き取れないんだけどね!)すごく聞き慣れた声が聞こえた
「!?」
今度こそ絶対に間違えるハズのない名前を呼ぶとその謎の女性の後ろからひょっこりと顔を出した
「おはようちゃんっ」
あぁ今度こそ本物のだ・・・!
「ごめんねちょっと道に迷って遅くなっちゃった」
「あ、うん。そっか」
っていうかそれは良いからとりあえず助けて!!
「ちゃんちゃんってホントに抱きしめ心地良いのね〜」
「でしょでしょっ!」
でしょって何?何、この状況の元凶なの?
バタバタと飛べない鳥よろしく手を動かしているとようやくこの・・・変態さん・・・じゃなくて謎の女性は解放してくれた
そして今度は代わりにが抱きついてきた
「・・・」
慣れてるので無反応です。すみません。
「良いなぁ。ちゃんの時は嫌がらないのねー」
羨ましそうに言う謎の女性
だって貴方見知らぬ人ですから。と言いたくなった
「ねぇ・・・この人誰なの?」
いい加減抱きついてるも剥がして尋ねる
「この人はねーちゃん!」
「・・・うん、名前じゃなくてね?」
いや、名前も重要かもしれないけどね、初対面の人の名前だけ知ってもね?
「えー・・・」
もう何を尋ねれば良いのか分からなくなってしまい(とりあえず怪しい人じゃない。と言うことは分かった。だってと知り合いみたいだし)
そこで止まってしまった
「今日はちゃんの車で行くの〜」
「はい?」
「ちゃん。荷物これだけ?」
「あ。はい・・・って」
何時の間に入り込んだのか私の置いていた荷物をちゃっかり持っているえーっとさん?がいた
「それじゃ行こう!」
「おー!」
勝手に盛り上がってる2人 え、何?私一人だけ状況把握出来てないんですけど・・・?
「あ。そうそう」
忘れてたわ、と笑いながら先頭を切ってたさん?が振り返ってきた
「私、真田って言うの」
荷物を持ってる手とは反対の手を差し出される
「え、あ。三上です」
慌てて私も手を差し出して握手をする(何かこの人すごいマイペースだぞ!)
私が手を差し出したことがそんなに嬉しかったのかさんは一層綺麗な笑顔になった
・・・やっぱり美人だ この人
「これから3日間よろしくね」
「は、はい」
・・・・
あれ、3日間?
大急ぎでの方を見ると最初は可愛らしく首を傾げていたけどややあって納得したように笑顔になった
「ちゃんもね、マネージャーなの!」
青いスポーツカーをバックに微笑む美女と美少女はかなり眩しかった
・・・って言うか、今から私コレに乗るの?(青いスポーツカーとか何となく場違いな気がするんですけど)
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色々悩んでこんな登場を果たしたさん。
え〜名前見て分かると思いますがとある人と血縁者です。ハイ
5月28日 砂来陸