うふふっ・・・・撃沈
回収されて遠く離れていく答案用紙を内心はそんな感じで見送ってた
テスト2日目が終了しました。
本日ハ晴天ナリ
見事に出来ませんでしたとも
テスト中はテストに専念しようって思ってたけど
ふとした瞬間に試合の事が浮かんで
凹んで
忘れようとして
でもやっぱり考えちゃって
・・・・
考えは永遠にループしてテスト勉強をしてるのか悩んでるのかよく分からないまま今日を迎えた
おかげで目の下にはばっちり隈が出来ました・・・
「ちゃん」
机に突っ伏していると上から声を掛けられた
顔を上げてみるとそこにはが立っていた
「なに?」
は何も答えず教室の入り口の方を指さした
「?」
指の動きに合わせて入り口を見るとそこには
「・・・なんでいるの?」
「何だよ。その言い草」
いいえ不機嫌にしたかった訳じゃないんですが・・・
入り口の所には翼がいた
しかもよくよく見るとマサキ達まで引き連れて
・・・ものすごい注目を浴びてるのは私の気のせいですか?どう見ても気のせいじゃないですよね?
正直なところ、翼達に会いたくなかったって言うのが本音
まだ現状に心の方がついてきてくれなくて・・・どんな顔をして会えばいいのか分からなかった
で、結局は平然を装ってみてるんですけどね
「えーっと今日は部活ないって聞いたんだけど・・・?」
「ないよ」
すぱっとそう言い切られた
あれ、みんながテスト中にそぐわないスポーツバックを持ってるからてっきり部活の呼び出しかと思ったんだけど
「俺等はこれからフットサル行くんや」
にかっと昨日とはうって変わって笑顔でナオキが言った
テスト勉強をしなくて良いのが嬉しいのかサッカーが出来るのが嬉しいのかわかんないけど・・・テストの方は大丈夫なのか?
・・・フットサルかぁ
そう言えばここの所行ってない。サッカーには部活中充分参加させてもらってたし暇も無かったし
あ〜何だか思いっきり体を動かしたい気分かも
どうせこのメンバーで行くんだろうから1人くらい増えたって平気だろう
「ねぇ私も「ダメ」
・・・言い切らない内に一刀両断された
言い放った翼は私より頭一個分低いところからすごく不機嫌そうに睨んでいた(身長差なんて感じさせないほど怖いよ!)
「昨日だって体調崩して帰ったヤツが何言ってるんだよ。ダメに決まってるだろ
それとも何?今日フットサルに参加して今度の試合に休むなんて馬鹿なことするつもりじゃないよね?
それって本当に笑い話にもならないよ?ただでさえ平日は仕事してないんだから試合くらいちゃんとマネージャーとして
働いて欲しいもんだね。何だよその顔 何か文句でもあるの?あるわけ無いよね?
よってはさっさと家に帰ってテスト勉強か体を休めること」
・・・・わぁい久し振りのマシンがトークを喰らいましたよ
でも一応私の体のこと心配してくれてるんだよね?
素直じゃないと言うか翼らしいって言うか・・・
「返事は?」
「・・・ありがと」
返事にしては可笑しいって分かってたけどこれが精一杯だった
だって正直涙が出そうだったから
翼はこうやって私の事を心配してくれてるのに私は未だにどうして良いのか分からない
大切なものがたくさんあるのは良いことだって誰かが言ってた
だけど
今の私には
大切なものを大切と言えない
「じゃ、ゆっくり休めよ」
最後にマサキに頭を撫でられて(髪をぐしゃぐしゃにされたとも言うが)みんなはフットサル場に向かった
「・・・ごめんね」
みんなには絶対聞こえない距離になってそうやってポツリと洩らす
聞こえて欲しくはないけどどうしても言いたくなってしまった。矛盾してる・・・
「ねぇちゃん」
「うぁい!?」
誰も聞いてない、誰もいないって思ってたのにすぐ後ろから声を掛けられた所為で思いっきりおかしな悲鳴を上げてしまった
「・・・」
すぐ傍にいたのは
そう言えばが呼んでくれたんだからすぐ傍にいるのは当たり前じゃん・・・もうどうしようもなく注意力散漫してるなぁ
「?」
人の事を呼んでおいては何も言わないまま私にくっついた(腰を絞めてるようにも感じるが・・・)
「どうしたの?」
三度目の問いかけ
「もしちゃんが・・・」
ようやく返事があった
「もし、誰にも言いたくないことがあって悩んでるんだったら言わなくても良いよ
でも・・・もし言って楽になるかもしれないんだったら
私に話してね?」
いつもみたいににこって笑って
はそう言った
は気付いてたんだ
私が調子悪いのは体調のせいじゃなくて何か悩んでるからなんだって
どうしようもないくらい自分は馬鹿だって思う
私をこんなにも心配してくれる人達がいる
「・・・ありがと」
抱きついてるに私も抱きしめ返す
周りからみたらすごい変な光景だと思う
だけど今はそんなの気にしない
「・・・今は、まだうまく言えない
出来れば自力で解決しようって思ってる」
抱きしめたままの姿勢
ちょっと暑い
だけど
「でも」
は動かない
でもちゃんと聞いてくれてる
「にはちゃんと話すから」
そこまで言ってぱっと話すとも離れた
「うん」
いつもみたいににこって笑って
は頷いてくれた
ありがとう
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あれ?これちゃん夢?笑
いえいえ違います。一応こう・・・女の子は鋭いのよ。っていう話です。
何だかんだ言いながらちゃんとちゃんの間にはちゃーんと友情が育っていってます。
・・・いや、その課程も必要かなぁって思って・・・
10月10日 砂来陸