強くなりたかった 誰より
だけど
弱いところだってある
本日ハ晴天ナリ
誰にも弱音を吐かなかった
前にには偉そうな事言ってたけど
自分の弱い所を人にばらすのは弱いヤツのやることだって思ってた
なのに
どうしてには分かってしまうんだろう
慰めるという安っぽい言葉じゃなくてだからって怒る訳でもないコトバ
おせっかいという言葉が一番近いかもしれない
それでも
俺にとって今一番欲しい言葉だった
「・・・・情けねぇな」
結局弱音を吐いている。それだけでも十分情けないのに
それよりもに八つ当たりをしてしまった事の方が自分の中で大きかった
「・・・・・俺だってそれなりに努力してきたんだ」
家に帰る暇も惜しんで必死で練習した
「名門って言われる武蔵森の10番だって言えるだけの」
その所為でには迷惑かけたし自分で辛いときだってあった
「だからくやしかった・・・」
頑張ってたのに
職員室で監督の言葉を聞いた時
今まで頑張ってきた自分を全て否定されたような気がした
こうやってとすぐ傍に居るのが当たり前じゃなくなったのはいつからだろう
武蔵森に入ってから話すことも会うことすら殆ど無くなっていた
その原因を作ったのは俺な訳だけど
・・・あぁこの距離はこんなにも居心地の良いものだったっけ
自分の中にあったものを吐きだしたら
嘘みたいに気持ちがすっと軽くなった
「なーんで分かるんだろうな」
「何が?」
返事は腕の中から聞こえた
には今の俺の心境が理解出来ないらしい
まぁ分からないなら分からないままでも構わないか
「誰にも弱音吐かなかったのによー・・・」
不思議だった
練習だって普通にやれて、自分でももう吹っ切れたつもりだった
なのに
実際は全然吹っ切れてなんか無くて・・・・
「亮って意地っ張りだからね」
さらっとそう言われた
意地っ張りって俺よりお前の方だろ、なんて思ったけど
この状況で言うのは明らかに俺が不利なので止めておいた
なにせは今 俺の腕の中
綺麗にすっぽり収まっている
一度この状態に収めたらなんか手放すのが勿体なく思えて
もうしばらくだけ、と未だに抱きしめたままだった
傍に居て貰えることに
とても安心していた
「それじゃ、私はそろそろ帰るよ」
「おう」
公園でひとしきり騒いだ後
は「あ、忘れるところだった」と言って
コンビニで買ったと思われるビニール袋を差し出してきた
「何だよこれ」
「プリン」
んなもん見れば分かる
「俺が訊きたいのはこの2つのプリンを渡されてどうしろって事なのかだよ」
2つっていうのがとてつもなく引っかかる
「一つは亮の分だよ。この間食べて美味しかったから是非お試しあれ
それからもう一つは竹巳君の分なの。渡しててくれない?」
「は?」
竹巳・・・・って笠井の事か?
何でアイツが出てくるんだよ。って言うか何で名前で呼んでるんだよ
俺の疑問いっぱいの視線に気付いたのかはこともなさげにサラッと言った
「だって竹巳君には色々お世話になったから」
その一言でピーンと来た
・・・・そうか
内通者は笠井だったのか・・・・
寮に戻った俺が直で笠井の所に向かったのは言うまでもない
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しゅーりょー!!!
ようやく終わりましたよ。長かったぁあぁぁぁぁあ
もうすっごいシスコンみかみんになりました。この上なく楽しかったです(笑)
これからちょっとイベント的な事をしていこうかなと思っています
しばらく原作が出てこないと思いますがあしからず
10月26日 砂来陸