パーカー良し、ズボン良し


そして


帽子良し





本日ハ晴天ナリ




雨、雨、雨

さすが森さんの天気予報

見事に梅雨入りしちゃいましたね


ポタポタと空から降ってくる雨を透明なビニール傘越しに見ながらはぁ、と溜息をついた

ビニール傘越しに見えるのはもう一つ

立派で頑丈そうな巨大な門と

『武蔵森学園』





えぇ、来ちゃいましたよ また

ははははははは

とりあえず笑ってみるものの全然楽しくない(そりゃそうだろ)

最近はすっかりナリを潜めていた帽子とパーカーを引っ張り出して

暑いのに長袖だよ・・・・半袖だと腕とか見られてばれそうだから かなり暑いです

今日来たのはもちろん亮に会うため

奇襲を掛けます(本気)

だからメールも電話もしませんでした


一応将君との仲は悪くならなかった・・・・と思う

この上なく信じられないって顔されたけどね

似てないからね。私と亮って


まぁそれはいいのさ!将君とは今まで通りお友達でいられるんだからね!

問題は監督の方!!つーかむしろ見たことのない水野君って人の方!!

そっちに謝って貰いましょう

それじゃ、行ってきます


もちろんのことこんな雨の中コートで練習はしてなくてサッカー部を見つけたのはとある体育館の中だった

(さすが武蔵森だなぁ・・・リッチだね)

体育館の中でも普通にパスの練習をしてるサッカー部'sを見ては感心した

飛葉中なんて雨降ったら教室の廊下でダッシュの練習と筋トレだけだよ・・・

ってそんなことはどうでもいいのさ

(亮はどこにいらっしゃるんでしょーか)

今日の目的を忘れちゃいけません、今日は亮に奇襲を掛けに来たんですから

・・・・・

・・・・・・・・・

いない?

体育館内どこを見回しても亮らしき人影は見つからなかった



ちょっと待って

どういうことよ?

何で亮がいないのさ



三上の心からの疑問

答える人無し


うわっ寂しい・・・

(って一人でつっこみしてる場合じゃないよ)

ホントに寂しいじゃん。

ぶっちゃけ私、部外者だしさ、出来るだけ早く用事(奇襲)を済ませて帰りたいわけです。ばれたら面倒だしね?

どうしよう・・・・

「え、ちゃん・・・?」

ん?

名前を呼ばれてすぐ横を見ると


そこには竹巳君が立っていた



「・・・・・久し振りです」

とりあえず。曖昧な笑顔でそう言っておいた

毎度のことながら曖昧っていうより・・・引きつった笑顔に等しかったけど

竹巳君も一応笑顔で(やっぱり曖昧な笑みだけど)挨拶を返してくれた

「うん。久し振りだね」


・・・・なんか私って竹巳くんと妙に縁があるなぁ・・・絶妙のタイミングで遇うというか・・・

偶然だって思ってたけど意外に凄いことだよね

「えーっと今日は三上先輩来ないよ・・・?」

私の今までの行動を見ていたのか 竹巳君は苦笑しながらそう言ってくれた

へー亮来ないんだ。居ないじゃなくて来ない、ねぇ・・・・

って

「え?」

どういう事でしょうか?



しとしと、と雨の音する

傘から見える空はどんよりと灰色で

もうしばらく止みそうにないな

ちゃん濡れてない?」

「え、あ。大丈夫、竹巳君こそ濡れてない?」

「僕も大丈夫だよ」

・・・・男の子と相合い傘するなんて初めてだよ(亮とはよくやってた気がするけど)

体育館では他の部活動もやっててすばらしく注目を集めてた私を気遣って(何たって全身黒)

笠井君にサッカー部の部室に連れて行って貰っている

と言うわけで移動を私が持ってきた傘、でしてるんだけど

あぁ意識すると結構恥ずかしいなぁ・・・相合い傘

竹巳君はもっと恥ずかしいだろうね・・・だって男の子だし・・・

って私も今は男の子だっけ

ぱしゃり、と水が跳ねる

水たまりに雨粒が落ちて一瞬だけクラウンが生まれた




なんと今日は自主練らしい

監督がいなくて一軍のメンバーが数人お見舞いに行ってるんだって

亮も、だそうだ

(人がせっかく奇襲を掛けたのに・・・・)

沸々と怒りが沸いてくる・・・(こんな事なら連絡くらい入れておくべきだったか?)

「・・・ごめんね竹巳君にも迷惑かけて」

練習そっちのけで私の方に来てくれた竹巳君

ホント感謝だよ・・・

「いいよ気にしないで。僕が勝手に来たんだから」

そう言って竹巳君はニコッと笑ってくれた

あぁ・・・なんかむしろ有り難すぎて涙が出そうだよ・・・!!

ちゃんは三上先輩に何か用事があったんでしょ?伝言があるなら伝えるけど・・・」

「え。あ、ううん、いいの。たいした用事じゃなかったから」

嘘だけど

笠井君に迷惑かけるわけにはいかない


でも

「何かあったの?」

どうしてだか竹巳君には分かってしまうらしい。

心配そうな顔で見つめられたから


・・・・すごいなぁ竹巳君


まだ数回しか会ったことのない私なんかに

どうしてこんなに優しくしてくれるんでしょうか

そして


「・・・・実は」


どうして私はこんなに人に頼ってしまうんでしょう





結局、私は「非行少年三上亮伝記」(勝手に命名してみた)を竹巳君に話してしまった

竹巳君はただ黙って

私の話を聞いててくれた


「水野って人が武蔵森に来る、って話は聞いてたけど・・・・そんなことがあったんだ・・・・」

竹巳君はこの事を知らなかったようだ

まぁ、普通に考えて亮は人にベラベラ話したりしないから知ってる人の方が少ないだろうけど

というか・・・

(・・・・何か私ってホント甘ちゃんだよね・・・・どうしてこんなに人に頼ってばっかりなんだろう・・・)

ベラベラと竹巳君に話してしまったよ


でもね


一人で抱えているととても不安で

何だか押しつぶされそうになるの

辛かったのも事実なんです


だから


竹巳君に話せて気が楽になった

Next

---------------後書き----------------------------------------------------------------------------------------

あぁ・・・・・何だよこれ・・・・
ホントに文才が欲しいです。どっか落ちてないかなぁ・・・?

気分が乗らないときって無理に書かない方がいいね。支離滅裂にも程がある内容ですたい・・・

トホホ

あ、一応ながらまだ武蔵森編は続きます
                                         8月19日 砂来陸