「何やってんだよお前」
話を聞き終わった亮の第一声はこれだった
本日ハ晴天ナリ
「どうせ彼氏が欲しいとか軽く考えてたんだろ」
ズバッと来たな・・・
「それで別に好きだったわけじゃねーけど変な意地張って付き合う事にした、と」
「・・・・大当たりです」
うぅ・・・何も言い返せない・・・なんで亮はこんなに私の事が分かっちゃうんだろ
「ばーか」
うっわぁー今のはかなりきたね
「でも・・・まさかキスされちゃうなんて思わなかったんだもん」
俯いたまま顔を上げないでボソボソと反抗してみる
「いーじゃねぇかキスの一つや二つ。
別れ賃だとでも思えば」
・・・・・
「でも・・・・ファーストキスだったんだもん」
そう
これが一番ショックな事だった
変な意地を張った所為でファーストキスを台無しにしてしまったことが
「・・・おまえおふくろとはしょっちゅうしてたじゃん」
「そういう誤解を招く発言は止めてよ・・・」
そりゃあ確かにほっぺにキスはお母さんが酔っぱらってしてきた事とか亮の彼女のフリしてされちゃったこととかはあったけど
（だって私だって一応普通の女の子（？）だよ！？そりゃーファーストキスくらいもうちょっとロマンチックなものにしたかったよ！！）
「でも口は初めてだったの・・・」
「は？おまえソレ本気で言ってるの？」
予想外の言葉を掛けられた
「は？」
思わずこっちも聞き返す
本気・・・・それ以外に何があるって言うのさ？
さっぱり亮の意図が読めない私は眉を顰めて亮の方を見る
亮の顔は驚いていた
そして
「おまえのファーストキスは俺だろ？」
ブハーッ
盛大にコーヒーを吹き出しました
「うわっお前何してんだよ！！」
危機一髪の所でコーヒーシャワーを避けた亮。さすが反射神経はいいわ
「亮こそ何言ってるのよ！！」
「だからお前のファーストキス・・・っていうか俺もか
が幼稚園の時だったっけ？」
「知らんわ！！」
「何でだよ。してきたのはの方だったじゃねーか」
「・・・・ホントに・・・？」
そういえばそんな気も・・・・
いやいやありえないし！！
「あのーお客様・・・・」
私は至って普通だから！！
ブラコンじゃないし！！←自称
いや、よく考えようよ！幼稚園の時なんてカウントされないよね！？（誰に聞いてるんだ？）
「あのー・・・」
自分の世界に入っていたら肩を叩かれた
「はい！？」
勢いよく振り返るとそこには
「もう少し・・・・お静かにお願い出来ますか・・・・？」
半涙目のウェイトレスさんが立っていた
・・・・・・・
ごめんなさい
「ありがとうございましたー」
もう二度とこのお店には来れない・・・・
そう思いながら早々にお店から出た
もちろん亮も一緒に
「なーにやってんだか」
呆れ声の亮
「反省してます・・・」
凹み気味の私の声
あぁ今日はホントに厄日だね・・・
「お前そろそろ帰らねーとやばいじゃねぇの？」
「うん・・・帰る・・・」
一体何しにここまで来たんだか
でもとりあえずは元気になったような気もするし・・・いっか
バス停まで亮は送ってくれた
部活の途中だったとしてもそれなりに疲れてるはずなのにね
「亮、もういいよ。すぐバスは来るから」
「あぁー・・・じゃ帰るわ」
大きく伸びをして、来た道を戻ろうとする亮
そんな亮の背中を見送りながら心の中でありがとうって呟いた
「」
と思ったら亮がＵターンしてきた
何？
そう言おうと顔を上げた瞬間
コーヒーの味
味？
・・・ってまたキスされてるよ！！
でも亮のキスは
どっかの誰かさんと違ってほんの一瞬ふれるだけのものだった
私に落ちていた影がフッと離れ
呆然としている私をみて亮はニヤッとデビスマを浮かべた
「ファーストキスもこんな感じだったよな」
「・・・覚えてないよ」
ってイキナリ何するのさ
と言ってやりたかったけど
至って普通の亮の様子を見てると
私が色々悩んでいた事がバカみたいに感られたから
なんだかどうでも良くなってしまった
亮の励まし方は荒っぽいけど（変わってるとも言う）
それでも確実に私に元気をくれて
知らず知らずのうちにいつもの私でいられるようになる
心の中でまた感謝した
そんな帰りのバスの中
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シスコンブラコンもここまで来るともう突っ込めませんよね・・・・
実の兄とキスをするっていうのはさすがにどうかと思ったんですけど・・・いいですか？（聞くな）
まぁちゃんはほっぺにキスは経験あるみたいなんでみかみんからのキスはそこまで驚きませんでした
都さんも酔っぱらうとキスをしてくるみたいで（イメージ的にはほっぺだけじゃなくておでこなんかもしてきそう）
みかみん＆ちゃんのファーストキス事件は番外編にあります。幼稚園の時ですね
あぁ楽しかった。
６月１２日 砂来陸