目の前に課せられた 問題は君じゃ無理だと

頭からそんな事 親切に誰が決めたの?





本日ハ晴天ナリ




「これ何か分かる?」

そう言って西園寺選手は紙の束を取りだした

ワープロで打たれた文字と鉛筆で書き込まれた文字が紙の上を躍っている

そのワープロで打たれた文字には見覚えがあった

「あ、これって」

プリントから目を離しの方を見る

「昼休みにから頼まれたヤツと一緒?」

そう、昼休みが終わる直前にがこれと同じ紙を持ってきて私にちょっとやってみて。と渡してきたのだ

その紙にはサッカーに関するちょっとした問題がいくつか並んでいた

たぶん基礎知識くらいのものが

「私もね、最初はやっぱり嫌がる人を無理矢理マネージャーにするなんていけないと思って
 
 普通にマネージャー募集をしてみたのよ」

ふぅ、と溜息を吐きながら西園寺選手は語る

「そしたら30人くらい来て・・・・・・・・・・・・・そんなに来て貰って嬉しいことは嬉しかったんだけど

 一体この中にサッカーを知ってる子はどれくらい居るのかしら?って思ってこのペーパーテストをしてみたの」

そこで一区切りし、西園寺選手は私にその紙を見るように促した

とりあえず一枚だけ紙を手に取ってみる

問1:サッカーの基本的なポジションを例以外に2つ上げなさい
   (例 FW GK)

    SD KK

ヲイヲイヲイ。アルファベットを2つ並べればいいってもんじゃないでしょ

※正解はDF MF

ほんの少し眩暈らしきものを感じたが気を取り直して別の紙を見てみる

問4:カウンターとは何か

   マネージャーがお茶を出す場所のこと

つーかそれってもうサッカーには関係ないじゃん

※「反撃」「逆襲」の意味を持つ攻撃方法

頭痛をも感じてくるような回答

問7:イエローカード何枚=レッドカードか

   10まい

それじゃあ12分に一枚の割合でイエローカードを取る人と試合しなくちゃいけないって事ですか?

ちょっとすごいと思う

※正解は2枚

そしてとどめが

問10:サッカーは何人でするものか

   9にん

そりゃ野球だ

※正解は11人


「・・・・・・・・・・・・・(もう何て言って良いか分からない)」

「見て貰ったら分かったでしょう?どんな子達がマネージャーになりたいって思ってるか」

「えぇ............」

このペーパーテストだけで判断するのはいけないかもしれないけど

これはあまりにも非道すぎると思う

きっとマネージャーを希望してきた人達はサッカーが好きなんじゃなくてきっと翼の追っかけか何かなんだろう

「私はこんな子達にマネージャーをしてもらいたくないの。

 きっと長続きしないし仕事もしてくれそうにないわ」

確かに

こんな人達は翼を間近で見たいだけとかそんな理由でマネージャーを希望してるんだろうから長続きなんてしないだろう

「それに対してちゃん、貴方はプリントの問題全問正解してる所を見るとサッカーに詳しい

 それに私の事も知ってたわ

 貴方ならきっとマネージャーとしてやっていけると思うのよ」

西園寺選手の顔は真剣そのものだった

ちゃん、私からもお願い」

そうも言う

あぁ駄目だなぁ私

人に頼み込まれると弱いみたいだ


「不束者ですがよろしくお願いします・・・・・・・・・・・」


私に出来る限りで良ければ頑張らせて貰いましょうか

結局サッカー部のマネージャーになってしまった


「それじゃあみんなに挨拶して貰わなきゃね!」

「はい。よろしくお願いします西園寺選手」

別に変な事を言ったつもりは無いんだけど西園寺選手は困ったように笑った

ちゃん、私はもう選手じゃないわ。出来れば名前で呼んで貰いたいって思っちゃ駄目かしら」

「玲さん、ですか?」

実の兄と同じ名前をさん付けして呼ぶのって何だか変な感じだ

いつかは慣れるかな?





と玲さんが出て行って

必然的に私は翼と二人っきりになってしまった

これと言って喋る事がなくて沈黙が部屋を満たしていた

その沈黙を先に破ったのは翼の方だった

「何?」

名前を呼ばれて翼の方を見てみると翼は何故か私の事を睨むようにしてみていた

「何で言ってくれなかったんだよ」

主語が抜けてるけどそれは言わずして分かる事

「だって前に一度言ったでしょ?母子家庭だって」

マサキはちゃんと気付いてくれたんだし

「それでも言って欲しかった」

どこか拗ねたように言う翼の姿が何だかとっても可愛く見えた



「何?」

「ホントに悪かったって・・・・・・・・・・・・・思ってるから」

ぶっきらぼうな上に小さすぎる声だったけどちゃんと聞こえた

私はもう怒ってないけど

翼は翼なりに罪悪感を感じてたみたいだった

うつむき加減で言う翼の姿はやっぱり可愛く思えて

「翼」

名前を呼んで

顔を上げた瞬間に


デコピンをかましてやった


「〜〜〜〜〜〜〜っ」

結構痛かったらしく翼は声にならない悲鳴を上げておでこを押さえた

「イキナリ何するんだよっ!」

「これでチャラにしてあげる」

まだ何か言おうとしていた翼が止まった

この言葉の意味が理解できたらしい

「翼はいつでも自信満々でいた方がらしいよ」

ぎくしゃくしてるのはやっぱり辛い

仲良直りしようよ

「これからよろしくキャプテン」

「これからよろしくマネージャー」

どちらともなく手を差し出して

仲直りの握手をした



それからサッカー部の面々と対面して挨拶をした

マサキにロク五助、ナオキは驚いた顔をして その後ばつの悪そうな顔をした

ナオキには翼と同じようにデコピンをしてやって

ロクと五助は別に私の文句言ったわけじゃないから免除 マサキは例外


「これからもよろしく」

喧嘩して仲直りして

色々遠回りもしてるけどそれでいいんじゃない?

またみんなと笑い合う事が出来て私はそう思った

Next

------------------後書き------------------------------------------------------------------------------------------------------

やっと、やっとやっと仲直り出来たよー!!
マジで長かったね。
おめでとうちゃん!

書いてる本人が一番ハラハラしてました(笑)
これからは出来るだけ原作に沿って進めていきたいと思います!
これからもよろしくお願いします!!

                              4月29日 砂来陸