目覚ましより早く目を覚ました
「んー・・・」
カーテンの隙間から朝日が差し込んでいる
それが眩しくて思わず目を細めた
本日ハ晴天ナリ
ピンポーン
左手を後ろに隠しながら呼び鈴を押した
「はーい」
声がすぐに帰ってきて
ドアからひょこっと顔が出てきた
「やっぱりちゃんだ。おはよう
どうしたの?こんな朝早くに」
「おはよう将君」
確かにこんな朝早くから来るのは私くらいだろうね
「あのね、将君今日から学校に行くんでしょ?」
桜上水の制服を着込んでいる将君。あ、なんで知ってるの?って顔してる
「昨日、家に寄ったとき功さんに聞いたんだ」
でね、と続ける
そして後ろに隠していた左手を出す
左手にあったのは青いチェック柄のハンカチに包まれた四角い形をしたもの
「もし良かったらこれ、食べて?」
「これってお弁当?」
「うん」
これからの学校生活がうまくいきますようにって朝早くから作らせてもらいましたよ
「美味しくなかったらごめんね?」
「ちゃんが作るものは何でも美味しいよ!」
「そう言ってもらえると嬉しい」
でもできれば食べた後に言ってもらいたいな
「それじゃ、私先に行くね」
バスの時間は早い
もう行かないと間に合わないんだよね・・・・・・・・・・・
「また夜に来るね」
「うん!ありがとう!!」
将君の笑顔ってすごい
気が付いたら私まで笑顔になっちゃうんだから
「おっはよーっ!」
ドスッ
朝から元気の良いタックルもどきを喰らいました
こんなことをしてくるのは世界広いといえどたぶん1人だけで
「おはよう」
ほら二つに結んであるしっぽ髪か揺れてる
嫌じゃない(だっては軽いし)けどちょっと心臓に悪いかな・・・・
「どうかした?」
いつの間にかが私の顔を覗き込むような形で見上げていた
「私ね、思うんだー」
「?」
全く脈略が分からない話に首を傾げるしかない
「ちゃんは翼ちゃんのこと嫌い?」
「まさか」
相変わらず脈略が分からない上に突拍子過ぎる質問だったけど即答した
翼の事キライなんて思ったことない
「それがね、不思議なの」
一体何なんだろう
「どうしてちゃんは翼ちゃんのこと嫌いにならないの?」
その質問にはすぐに答えられなかった
「だってね、ちゃんは翼ちゃんの所為ですっごく大変な目に遭ったんだよ?
そりゃーちゃんと翼ちゃんがすごく仲が悪くなっても嫌だけど・・・・・・・・・・」
うーんと唸ってる
「ちゃんはどうして翼ちゃんのこと嫌いにならないの?」
(うーんまさかにあんな事言われるとは思わなかった)
くるくるとシャーペンを持て余しつつさっきから頭の中はに言われた言葉でいっぱいだった
(翼のことはキライじゃない)
それだけは確かな事
(確かに放送の時はカッとなっちゃったけどでもキライにはならなかった)
それが普通じゃないんだろうか?
(あーもう分かんないっ)
授業放棄 机に伏せる
行き場のない気持ち
やり場のない思い
そんなのが自分の中でぐるぐると回っている
(あ)
「分かった」
「何が分かったのかしら?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
あらこんな所に素敵な社会科の先生がいらっしゃる
「堂々とした居眠りでしたねー」
「スミマセン・・・・・・・・・・」
今授業中だって事すっかり忘れてましたよ
「ちゃん大丈夫ー?」
お昼
がお弁当を持って私の所へやって来た
私はと言うと社会の課題を必死で片づけてたり
今日も教室で食べるのかな?
「もうすぐ終わるから」
「ごめんね、私が変な事言っちゃったから」
あ、が落ち込んでる
「気にしないで。の所為じゃないよ」
残りの課題は引き出しにしまって
「それじゃ、ご飯にしますか」
「私、の質問に答えられそう」
ご飯を食べ始めてすぐに私はそう言った
「翼のやったことは理由があったから怒れなかったんだよ」
「りふぅ(理由)?」
、飲み込んでから喋りなさい
「そう。翼は私がサッカー部に入って欲しいって思ったのも入らないっていって怒ったのも一応ながら理由があったの
だから怒れなかったんだよ」
ただそれだけのこと
小学校の頃
私はクラスに溶け込めなかった
まぁ自分のことをイジめてるクラスメイト達に馴染めって方が無理だけどさ
毎日 物がなくなって
机や鞄なんかには落書きがされて
そのくせ私の存在は無視
いつもクスクスって笑い声だけが耳に残って
とても陰湿で
何で自分がそんな事されるのか分からないで
私はクラスメイト達のことが大嫌いだった
今思うと理由なんて無かったんだ
だから大嫌いだった
「ってごめんね。面白くも何ともない話で」
今まで人に話したことは無かった私の話
はただ黙って聞いていた
あんまりにも反応がないからちょっと困った
「・・・・・・・・・・・・・?」
するとはイキナリ立ち上がってがばちょと私に抱きついてきた
「?」
思わずお箸を落としそうになったのを何とかこらえ
「おーい・・・・・「私、ちゃんのこと大好きっ!!!」
カラーン
お箸が落っこちた
「ちゃんのこと大好きっ!!ホントにホントに好きだから!!!」
何だかものすごい愛の告白を受けてる気が
クラスメイトの視線をビシビシ感じますよ
「えーと、とりあえず落ち着いて?」
・・・・・・・・・・
離れる気配は無いですね
どうしようか
「翼ちゃんのこと嫌いにならないでくれてありがとう」
良く分かんない告白をされたのは置いといて
が
そのセリフを一番言いたかったことだって事は分かった
人にギュッとされるなんてことはそう無いことだったけど
とても暖かいと思った
「あっ」
抱きついたまま私の肩に頭を預けていたがイキナリ声を上げて顔を上げた
「ちゃん今日の放課後暇?」
放課後?
「そんなに遅くならなければ平気だけど」
何かあるの?
するとはにっこりと笑って
「ちゃんに会いたいって人がいるの!」
と言った
「それからコレチャレンジしてみてっ!」
と何かプリントも渡された
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久々の更新だぁぁぁぁ
笛キャラホントにちょっとしか出てないですよ!!どうしますか!!
ホントはもう一日鬼ごっこの話を書きたかったんですけどあんまりにも更新出来てないんで
カットしちゃいました(^^;)
期待してた人すみませんっ!!
ちゃんは何気に翼ちゃん思いなんですよねぇ〜やっぱり自分の親友とハトコが喧嘩してるなんて
いうのは気分が悪いというか
そんなこんなでちゃんとちゃんの友情は不滅でっす☆
4月22日 砂来陸