今日から将君が新しい中学校に通うって聞いたからいつもよりずっと早く起きて将君宅の朝ご飯も作りに行った
「じゃあ将君新しい学校楽しいところだと良いね」
ウインナーを炒める音をBGMにそういうと将君は笑顔で「うん!」と言った
そりゃーこっちが照れるくらいのとびっきりの笑顔でね
(でも本当に将君には新しい学校で頑張って欲しいな)
牛乳を一気飲みしてる将君を見て私はそう願った
本日ハ晴天ナリ
おかげでいつもよりも一本早い電車に乗ることが出来た
電車に乗っているメンツもいつもと違ってて何だか新鮮な感じがした
そんなこんなで学校にも早く着いた
(こんなに早い時間に来たの初めてかも)
こうもんを入ってすぐのところで朝練中らしくランニングをしている野球部とすれ違った
あぁ。精が出てるなぁなんて見てたら野球部のキャプテンらしき人と目が合ってしまい
とりあえず会釈程度に挨拶をしてみたり
(野球部は試合が近いのかな?)
ふと気が付くと校内のあちこちから声が聞こえていた
それもどうやら部活動中だと思われる声
まだ朝早く、の時間である校舎からは部活動生の声で活気に満ちていた
(あ、もうすぐ春の新人戦だっけ)
だとしたら殆どの部活が朝練をしているのも納得が出来る
目を閉じて耳を澄ませて聞こえてくる活気に満ちた部活動生達の声
思わず
(案外、運動部もいいかも)
なんて思ってしまった
「遅い」
教室に行くと第一声としてそう言われた
確かにあっちこっちの朝練見てきたから時間的には遅いかもしれないけどさ
「・・・・・・・なんで翼がいるの?」
ここは3年生の教室じゃないですよ?
1Eのクラスの前であんまりにも堂々と立っていたので思わずそう声を掛けたくなった
しかも大注目されてるし
「1階に3年がいちゃいけないなんて校則でもあるの?僕がどこにいようと僕の勝手だろ」
そりゃそーっすね
なんかいつもより口調がきついと思うのは私の気のせいでしょうか?
「で、その翼サンは一体何の用事があってここにいらっしゃるんでしょうか?」
あぁ他のクラスの人達まで集まってきた・・・・・・・・・・
「。もう一度だけ聞くよ サッカー部に入る気は?」
またその話ですか?
ここまでしつこいと翼ってば実は痴呆が始まってるんじゃないかとまで思ってしまう(ひどっ)
もちろん口に出してそんなことは言えないですけどね
「入る気は全くを持って無し。私は文化部に入るの」
お願いだから早く自分のクラスに戻ってくれ〜私は人に注目されるのが嫌なんですよ
「そ。よーく分かった」
そのままくるりと方向を変えて翼は自分のクラスへ帰っていった
(なんだか翼笑ってなかった?)
そう思ったりしたけど私の思い違いかも。とも思ってすぐに頭から消し去った
「あ、おはよう」
教室に入るとまずに挨拶した
「・・・・・・・・・・おはようちゃん」
「どうかしたの?」
いつもなら真っ先にタックルに等しいハグで朝の挨拶をしてくるが大人しいのでとりあえずそう尋ねてみる
「えっ何でもないよ・・・・・・・・・・・」
にはそのままパッと目を逸らされてしまった
「???」
気になるけど先生が来ちゃったからそのまま自分の席に着く羽目になってしまった
(何か嫌な予感がするかも)
この時はまだ気付いてなかったけど
これは間違いない予感だったんだ
「あ、ちゃんお昼は教室で食べない?」
お弁当を持って席を立とうとしたらはいきなりそう声を掛けてきた
「?別にいいけど」
朝からずっと様子がおかしい
何かあったんだろうか?
一つの机で向かい合わせになりお弁当を食べることになった
(よくよく考えたら教室で食べるのは初めてかも)
「あ、あのねちゃん」
「ん?」
「実は『お昼の放送の時間になりました。皆さん静かに聞いて下さい』
お昼の放送?そんなのがあるんだ。屋上じゃあ何も聞こえないしな
っとそれよりが今何か言いかけなかった?
「、今『ちょっと連絡があるんだけどいい?』
よーく聞きなじんだ声が公共電波に乗って耳に入ってきた
『しっ椎名君!?』
『えーっとこのマイクに向かって喋ればいいの?』
『は、ハイ!!』
(何やってんだろ翼は)
の方を見ると心なしか顔色が良くないように見える・・・・・・・・・・・どこか具合悪いのかな
『お昼時に失礼。ちょっとお知らせがあってね』
サッカー部への連絡か何かかかなぁ?なんて思いながらタコさんウインナーを頬張る
『一年の三上って知ってる?』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今 私の名前が聞こえたのは気のせいだよね
『彼女のスポーツテストの成績は短距離・長距離に幅跳びと一年の中じゃどれも上位。短距離に関しては学年で一位
すごいと思わない?』
なんで私すら知らなかったそういう情報を翼が知ってるんでしょうね
・・・・・・・・クラスメイトの殆どが私の方へ熱い視線を送ってくれている
照れるな!←落ち着け
『でもは文化部に入る何て言ってるんだ。許せないよね?』
オイオイオイ
いいじゃん私が何部に入ろうと私の勝手じゃん
『だから明日から三上争奪戦をしたいと思います』
何?
『ルールは簡単。明日から3日間の間でを捕まえることが出来た部にをあげるよ』
へーそいつはすごいな
一体どうしてそんな話になったのかな?
『参加資格は各部の部長のみ。時間は・・・・・・・・朝は予鈴までと昼休みでどう?』
わあぁー!!
翼が「どう?」と言ったとたん上の階(たぶん3階)からそんな歓声が上がった
何故!?
『それじゃ、みなさん頑張って』
しばらくは あぁ変な幻聴が聞こえたな。最近疲れてるのかな?なんて思ったけど
周りから痛いくらいの熱い視線を感じるところからどうやら幻聴ではないらしい
拝啓 神様
今、翼を殴っても無罪にならないでしょうか?
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小悪魔翼ちゃんですね。
最近ヒロインが苦労してないんで苦労させることにしました☆マテ
本当は次の話とまとめて1本で作ってたんですけどあんまりにもだらだらと長くなってしまったんで
二つに分けさせて貰いました(^^;)
なんだかなー文才なさすぎな自分が悲しいです。
それでも読んで下さってる方いらっしゃるんですよね。
嬉しいです。これからもよろしくお願いします
4月6日 砂来陸