「良かった目腫れてない」

朝起きて最初の一言がこれだった




本日ハ晴天ナリ




昨日散々泣きまくった私ですがなんとか形跡は残らなかったみたいです

本当に良かった

ちゃんそろそろ家出ないと間に合わないわよー?」

お母さんの声がした

「はーいっ それじゃあいってきます!」

家を出る前にもう一度だけ鏡を見て

意味もなく、よし。なんて呟いてみた


「あっちゃん」

玄関を出て間もなく将君と会った

別にやましいことがあったわけでもないのにいきなりだったからか私は妙に慌ててしまった

「よかった、元気そうで」

将君は私の顔を見るなりそんなことを言ってきた

「?」

「昨日、何だか怒ってるみたいだったから」

・・・・・・・・・・泣きそうなのをこらえた私の顔が怒ってるみたいだったということか

相変わらず表情に乏しいんだなぁ私って

「怒ってた訳じゃないよ。ちょっと驚いただけ」

驚いただけって訳でもないんだけど本当のことは私にもよく分からない感情だったから

とりあえず笑ってそう言っておいた

「それじゃあ、私もう行くね」

私は学校へ行く途中だったことを思い出し、ちょっと駆け足でエレベーターに乗り込んだ


エレベーターに乗ったとき、将君が「いってらっしゃい」と手を振ってくれたことがなんだか照れくさく感じてしまった




学校でも誰かに泣いたことがばれることは無かった

誰かって私が喋るのはクラスじゃあくらいしかいないんだけどね


ちゃーんお昼食べよう!」

「うん、ちょっと待って」

いつの間にか屋上で翼達と食べるのが日課になってしまっていた

別に嫌とかそんなのはないよ?

でもそのせいでクラスの友達とは喋る機会がないのもまた事実

何とも言い難い状態なんです。




「そういえばはもう部活決めた?」

お弁当を食べながら、ふと思いついた質問をぶつけてみた

ここ飛葉中は部活動が強制である

そのため文化部でも運動部でも何か一つは入部しなきゃいけないわけで

「私?私はもっちろん写真部!」

はそう言ってどこからかカメラを取りだした(ホントにどこから!?)

「写真部に入ったら堂々と写真も撮れるしねっ」

あぁそうですか

もし良かったらと同じ部に入ろうと思ってたけど写真部はなぁ・・・・・・・・・・

私はまだ入る部活を決めてない

出来るだけ活動日が少なめの文化部に入ろうとは思ってるんだけど

はてさて、どうしたもんでしょう

ちゃんは?決めたの?」

「ん〜まだ。決めかねててさぁ」


はサッカー部に決まってるじゃん」

「は?」

翼はイキナリ何を仰ってるんでしょう?

「何マヌケな声だしてるんだよ。はサッカー部のマネージャーやってくれるんだろ」

いや、この人何言ってるんでしょうね。

なんでもう決まったような言い方してるのさ

「私サッカー部に入るなんて言った覚えないんだけど」

いくら記憶をたどってもそんなことを言ったことは・・・ない

でもそう言ったら翼は心外だといわんばかりの顔をした

「はぁ!?サッカー部に入らないの!?何で!!」

何でって・・・・・・・・・・

「そんな時間ないし・・・・・・・・・」

毎日部活がある部なんて入ってられない

私にはそんな時間ないもの

だって・・・・・・・・・・

「そんな時間無いってどういう事だよ 僕にはサッカー部を馬鹿にしているようにしか聞こえないんだけど」

「別にサッカー部のこと馬鹿にしてるつもりはないよ」

サッカー部のこと馬鹿にするはずないじゃない 私はサッカー大好きなのに

サッカー部に入らないのはもっと別の理由

翼達に一度話したことあるんだけど覚えてないのかな・・・・・・・・

「とにかく」

覚えてないならそれはそれでしょうがないと思う

「私はサッカー部に入るつもりはないしもちろんマネージャーをするつもりもない。

 だから私にそういう期待はしないで」

食べ終わって軽くなったお弁当箱を包み直して私はピシャリとそう言い放った

次の授業は何だっけ?

予鈴が聞こえてそんなことを考える

、帰ろ」

私より一足早く食べ終わったに声を掛けると元気に立ち上がって「うんっ」と言った


「それじゃ」

肩越しに振り返ってそれだけ告げ、私とは屋上を後にした

この会話だけ聞くと私が怒ってるみたい、と感じるかもしれないけどこれが私の普段だから

決して怒ってる訳じゃないよ?

だから全く気付かなかった

気にしなかった、って言っても間違いじゃないけど


翼が怒ってた。なんて




放課後、靴箱に行くと手紙が入っていた

「・・・・・・・・・?」

封筒には名前が無く、恐る恐ると開けてみる。とりあえずカミソリレターではなさそうだ

  『三上さんへ

      これは警告です。これ以上椎名翼君に近づくのは止めて下さい。

      さもないと貴方に天罰が降ります。』

「・・・・・・・・・・・」

あんまりにも内容が簡潔すぎて思わず3秒くらい固まってしまった

が、はっと我に返り

「今時こんな事する人いるんだ・・・・・・・・・・・」

と感心し、バス停に向かうことになった


知ってますか?

天罰っていうのは神様が天災を起こすことなんです

ということは私は神様に手紙を貰ったって事なんでしょうか?

それはそれは人生にまたとない体験ですよね


Next

---------------------後書き------------------------------------------------------------------------------------------------

おいおいまた原作をきれいさっぱり無視してますよ
もうちょっとしたらきちんと原作を交えていきたいと思ってますんでどうかご了承下さい
この話は本当に意味が分かんない話だって思われるかもしれないんですけど
次の話でとある事件が発生するんでそのための序幕だと思って下さいな
ちゃんが時間がない。と言った理由が分かった人はいらっしゃいますかねぇ?

                                     4月4日 砂来陸