、頼みがあるんだけど」

入学式を終えて帰ってきたばかりの私に、めったに頼み事をしない(というより人に借りを作らない)私のハトコさんがそう言ってきた

あ、私の名前は!西園寺っていうの。よろしくね

椎名家で翼ちゃんと同棲中の12才です!




本日ハ晴天ナリ




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「え?こないだ寝顔写真撮って売り飛ばしたことチャラにしてくれるって?」

ニッコリと笑顔で私は尋ね返す


ニッコリ←ちなみに人はコレを絶対零度の会話と呼びます(笑)

「・・・・分かった」

そうこなくっちゃ。

「で、頼みって?」

丁度その時玄関のチャイムが鳴った

「翼ー来たぜ」

あの声は翼ちゃんの悪友達だな

勝手知ったる・・・・って感じで彼等は家に上がり込んできた

「お茶用意してくるね」

一応居候の身としてはそれくらいしなくちゃね

話はそれからでも大丈夫でしょう?


私がお茶を準備して翼ちゃんの部屋に運んでいくと、部屋からは話し声で溢れていた

「え!じゃあってうちの学校なのか!?」

「間違いないね。思いっきり目が合ったし」

「でもあいつ何も言ってなかったよな。フットサルやったときだって・・・・・」

「まぁね、驚かすつもりだったのか、もしくは知られたくなかったのか・・・まぁ・あの驚き方からすると知られたくなかった みたいだったけど」

うーんなんか深刻な話みたいだなぁ(そうか?)

「翼ちゃんー入るよー?」

でもせっかくいれたお茶が冷めるのはもったいないから遠慮無く入室することにした

部屋の中にはやっぱりいつものメンバーがたむろっていた

「お、。今日はすごかったな。新入生代表挨拶なんて」

「えへへ。ありがとマサキ君」

「さすがは監督の妹」

「ロク君お姉ちゃんは関係ないよー?」

ー俺にも茶くれ」

「あ、五助君熱いから気を付けてね」

この人達はみんな翼ちゃんの友達でその関係で私とも顔なじみになったんだ

翼ちゃんのサッカー仲間なんだって。私はサッカー見るのは好きだけど(お金になるし)実際にはあんまりやったことない。

だってちょっと恐いし、それより写真撮ってた方が儲かるし!

「あれ。今日はナオキ君来てないの?」

いつものメンバーだって思ってたら1人足りないことが発覚

関西弁を喋る楽しい人がいない

「あぁ。ナオキはの事知らないからね」

さっきから幾度なく話に登場してる「」って名前

一体誰なんだろう?


お茶を配り追えて部屋から出ようとすると

「あ、も残って。さっきの『頼み事』について話すから」

翼ちゃんにそう言われたからナオキ君の分だったお茶を飲みつつ男の談話(笑)に参加することになった



「・・・・・・何ソレ?」

頼み事の内容がイマイチ理解出来なくってもう一度聞き返す

「だから『』ってヤツを明日の昼休みに屋上に連れてこいって言ったの。と同じクラスにいるだろ?」

「そんなこと言われても今日出会ったばかりのクラスメイトの名前なんて覚えてるはずないよ」

クラスメイト38人もいるのに

ましてや『』って男の子なんでしょう?(名前的に)分かんないって

「頼むよ。しか頼れるヤツいねーんだよ」

むぅ。マサキ君にまでそう言われちゃあ引き受けないわけにはいかないか

だっていつも写真撮らせてもらってるし(無断で)おっとっと

「じゃあいいよ。引き受けてあげる」

ちょっと面白そうだし

翼ちゃん達がこんなに関心を示すような人だもん。きっと面白い人なんだろうな(いろんな意味で)

「でもさっきも言った通り顔とか全然分かんないからね。

 どんな人なの?」

そうそう。コレが一番大事。

どんな人か分かんないと捜しようがないしね


-『』についての証言-

「あんまりしゃべんねーな」

「俺は良いヤツだと思うけど」

「野良猫っぽい」

「落ち着いてて年下って感じがあんまりしないね」

・・・・・・・・・・

「それじゃあ分かんないよ」

そのヒントで見つけられたらちょっと恐いでしょ?

「もっと特徴的〜な事って無いの?人と違ってるところ」

「「「「ゴールキーパーがうまい」」」」

「・・・・・・・・・もういいよ」

クラスの男子にかたっぱしからボールをぶつけろって事なのかい?

明日自力で捜さなきゃね



入学して2日目

私が学校に着いたときにはもう結構な人が来てた

「おはよー

「おはよう」

同じ小学校からの持ち上がり組と挨拶を交わす

うーん中学校って言ってもあんまり緊張しないな。制服になったくらいで変わったこともあんまりないし

教室に入ると入り口の所に3人くらいの女の子達が顔を真っ赤にして立っていた

「?どうしたのー」

その子達は小学校の時からの友達だったから声を掛けてみた

「あっおはよう。さっきね、すっごい綺麗な人がいたの!!」

綺麗な子?

「うんうん。すっっっっごく美人なの!びっくりしたぁ〜!!」

「へーどの人?」

そこまで言われる子が同じクラスにいるなんてちょっと興味がない?

「あの人!」

そう言って示された先には

うつ伏せになっている女子生徒がいた

(顔見えないよ・・・・・・)

ちょっと残念

しょうがないから教卓の上にある座席表で名前を調べることにした

(一番後ろの席だからー・・・・・・み?)


『三上


ん〜どこかで聞いたことがある名前だね

おかしいなぁ翼ちゃん達は誰1人「女の子」だなんて言ってなかったのに

後で追加料金(写真)請求しなきゃね

ちゃん先生来るよー」

ありゃ。もうそんな時間だっけ

噂の『』の方を見るとまだ起きる様子は無し

(起こしてあげよ)

親切心半分どんな顔か見たいのが半分

私は『』に近づいていった

そして

「先生来たよ」

そう呼びかけてみた

』がゆっくりと顔を上げる

(───────っ)

本当に綺麗な人だった

思わず凝視してしまいそうになって慌てて笑顔を作った

「あ、よかった」

それだけ言って自分の席に戻った

(翼ちゃん達の目は節穴なのかな?綺麗な顔とか言ってくれたら一発で分かったのに)



自己紹介の時、目が合った

笑ってみせたけど目を逸らされた(ちゃんショック!)

でもめげずに喋り掛けていたら意外なことが分かった

(この人、人と喋るのが下手なんだ・・・・・・・・・・・!!)

でもしばらくしたら向こうも慣れてきたみたいで

「名前で呼んで」

と頼んだら

「じゃあ私もでいいよ」

と返してくれた

う〜ん良い子だ!!

なんだか良心が痛むなぁ これから翼ちゃん達に捧げるのは(生け贄か何かと勘違いしてません?)

よし!

「あのね、ちゃん 私ちゃんの事知ってたの」

ちゃんとは本当にお友達になりたいって思ったから

ちゃんと言った

「怒ってる?」

そう尋ねてみた

そしたら

「怒ってないよ」

ちゃんはほんの少し笑ってそう返してくれた

(わぁ・・・・・・・・・・笑うとさらに美人だな)

もっと仲良くなりたいって思った

(うぅちゃんごめん!これから翼ちゃんに何を言われても耐えてね!!)

心の中で懺悔しつつ私は屋上の扉を開けることになる

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--------------------後書き----------------------------------------------------------------------------------------------------

あっはっっは。
一応ちゃんverとなんております。
どうでもいい?
はいスミマセン。何となく書いてみたかっただけです
これからもちゃんは色々としでかしてくれるんで。ちゃん共々見守ってやって下さいな

                                      3月26日 砂来陸