寝不足でお菓子作りはやっぱりきついなぁ

あくびをしながらはそう思った




本日ハ晴天ナリ





こんにちは皆さん一応この話のヒロイン役のです。只今 朝の5時です

なんでそんな時間に起きているかというとバカ亮に電話で起こされました ←詳しくは番外編で

あの後また寝直そうと思ったんだけどよくよく考えたら今日は2月14日

世間では「バレンタインデー」と呼ばれている日です

(実の兄のために律儀にチョコ作ってる自分が悲しい.....)

いや、毎年あげてるんだけど今年はもうあげなくて良いかなぁって思ってた



だって去年.....


-回想モード-

小学5年生の私は頑張って作ったマドレーヌを持って武蔵野森に行きました

「あの、すみません」

寮の入り口で管理人のおばさんらしき人に声を掛けると

管理人のおばさんらしき人は私の方を見るなり

「バレンタインのプレゼントはその箱の中に入れて」

そう言ってさっさとさっきまで読んでいた本に戻っていった

(無愛想な人だなぁ・・・・)

そう思ったけどまぁ声には出さずに指された方を見る

そこには

三上とか渋沢とか藤代とか笠井とか

とにかくそんな風に名前が書かれた段ボールが置いてあったわけですよ

「(絶句)」

ここは何処ぞのホストクラブか?なんて真剣に思ったり

「三上亮に会いたいんですけど」

せっかく来たんだから逢いたいって思うのは当然

でも

「だからバレンタインのプレゼント持ってきたんでしょう?その箱に入れておいてくれれば ちゃんと届けるから」

すっっっっごくめんどくさそうにおばさんは言った

「私、三上亮の妹なんですけど」

↑どうしても逢わせてくれようとしないおばさんにちょっとキレ気味のちゃん

するとおばさんは「はぁ」とため息をついて

「あんたで17人目だよ」

「へっ?」

「三上君の家族だとか親戚だとかそう言ってきたのがあんたで17人目。

 まぁ妹っていうのは初めてだったけどね」

「(絶句再び)」

おいおい私の家は2人兄妹だったよね?

「で、でも私は本当に.....」


「はいはい。来た人はみんなそう言うの。確かに三上君には妹さんがいるらしいけど

 あなたどう見たって妹には見えないでしょう」

ピシャーン ゴロゴロ・・・・・・

どこかで雷が落ちましたね

いや、空は晴れてるんだけど私の中で

「もういいです」

マドレーヌを持ったまま寮を出る

(ど−せ妹に見えませんよ!!)

すっごいむかついたからそのままケータイを取りだし亮にコール

?どうしたんだ?』

普段と変わらない亮の声

いつもならここで安心するんだけど今日は違う

亮の声が無性にむかつく

?何か「亮のバカ────────────!!!!!!!!!!!」ブツッ


電話口に向かって大声で叫んでやりましたとも

それからさっさと家に帰って綺麗に包んだマドレーヌを自分で食べました

-回想終了-



今思えばただの八つ当たりだったんだよね

ちょっと反省・・・・

だから今年はちゃんとあげようかなって思った

甘い物が嫌いな亮のために普通のチョコよりちょっと苦めなのを作る

(あ、翼達の分も作ろうかなぁ)

日ごろの感謝も込めて


「ん、なかなか」

ちょっと味見をしてみるとまぁそれなりにおいしくできていた

ちゃんこんなに朝早くからなにやってるの〜?」

「あ、お母さんおはよう」

お母さんが起きてきた。時計はもう6時半をさしている

急いで台所片付けなきゃ!


それから慌てて台所を片づけて朝ご飯の支度してたらもう時間ギリギリ

しょうがないラッピングは帰ってきてからしよう

「いってきまーす!」

あわただしく家を出た



また憂鬱な学校生活だ





教室に入っても誰からの挨拶もない。まぁ私もしないんだけど

無言で席に着き、鞄を横に掛ける

普通は後ろの棚に入れるんだけど盗られると嫌だからはいつも横に掛けている

(本でも読むか)

まだ先生が現れそうにない教室の空気に小さくため息をつき読みかけの本を鞄から取り出す

「おい三上」

本を読もうとしたらクラスの男子から声を掛けられた

確かコイツは遠山とかいったっけ(うろ覚え)

身長156センチのクラスでは大きい方で(私よりは5センチも小さいけど)

でも性格が俺様っていうかナルシストっぽいっていうか(それでも何故か女の子から人気がある)

まぁそんな感じのヤツで私は嫌いだった

「・・・・・何?」

「今日何の日か知ってるか?バレンタインデーだぜ」

知ってるよそれくらい。コイツ私をバカにしてんのか

「おまえチョコあげる相手なんていないんだろ?俺がもらってやるよ」

おかーさーん ここに変な人がいまーす

っていうかなんでコイツにそんなことを言われなきゃいけないんだ

よし。無視しよう

「ほら出せよ」

・・・・・コイツ何様のつもりなんだ!?

「アンタにあげるくらいなら その辺の野良猫にあげた方がましだし」

本を開きながらそう言ったら遠山は顔を真っ赤にした(怒ってね)

密かに聞き耳を立てていたらしい女子達が

「ちょっと今の聞いた!?」

「遠山君がせっかく声掛けてくれたのに!!」

「強がっちゃってさ」

・・・・・うるさい

っていうか強がってないし。声掛けてくれなんて頼んでないし(むしろ迷惑)

あ、遠山がどっか行った

よしよし諦めたか

そう思って読書に熱中していたら


バッシャーン!!


(・・・・・何?)

ポタポタと雫が落ちる自分の髪

一瞬で重くなった自分の服

頭から水を掛けられたんだって分かるまで数秒かかった

「調子のってんじゃねーよ!!」

すぐ傍にはバケツを持った遠山が立っていた

コイツがかけたのか・・・・

調子に乗ってるのはどっちよ?

逆ギレして挙げ句の果てには水かけて それもバケツで

だいたい今2月なんですけど

私 僧侶じゃないから真冬に水被るような趣味ないし

ガタン

ゆっくりと椅子から立ち上がる

立てば私の方が遠山よりも身長は高い

濡れた所為で野暮ったくなった前髪を無造作に掻き上げ

遠山に冷たい視線を送る

クラス中がシンと静まりかえってる

普通、こういう時どうするものだろう

遠山に掴みかかる?それとも泣きわめく?


どっちも嫌


濡れてしまった本を片手に持ったまま反対の手には鞄を持つ

濡れたまま授業を受ける趣味も無い

どうせこの後待っているのは何がどうあっても遠山の味方をする先生のお説教

だったら帰って着替えた方が方がまだマシだ

そのまま教室を出る

あ、忘れるとこだった

「わざわざ水汲んできたの?相当暇なのね。その上考えることが幼稚過ぎない?」

遠山に対するイヤミだったんだけどクラスが静かだったからみんなに聞こえていた

また真っ赤になる遠山(ゆでだこみたい)

廊下を歩く 濡れた物々の所為で廊下も濡れてるみたいだけど私の所為じゃないし(掃除は遠山にやらせてください)

(あー寒い)

ただでさえ寝不足で頭痛いのに何でこんな目に遭わなきゃならないのよ


ちょうど階段の曲がり角で同じクラスの女の子に遇った

「あ・・・・桜井さん・・・・」

「三上さん?どうしたの!?」

同じクラスの桜井さん

唯一クラスで好きな方の分類に入る子だと思う

あんまり喋ったりはしないけど物が隠されたりするとこっそり探してくれたり

自分のを貸してくれたりしてくれた

「髪濡れてるよ?何かあったの?」

桜井さんはそう言って自分のポケットからハンカチを取り出す

そしてとても心配そうに私の服とか拭いてくれた(頭までは背が届かない)

「あ、いいよ。そんな・・・・・」

そう言ったけど

「駄目だよ 風邪ひいちゃうよ」

結局そのハンカチは借りたまま桜井さんは教室へ私は家へと別れた


濡れて冷たくなったはずのハンカチなのに

とても温かく感じられた


Next

--------------後書き----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

どーん!!(何)

やっと終わった(^^;)
まだまだバレンタインは先なんだけどこの話を書かなきゃ先に進めないと思ったんで
書いちゃいましたよ
さて、なんと今度はみゆきちゃんが出てきたね
実は小学校でクラスメイトだったんですよ〜良い子だみゆきちゃん....
それにしても非道いですね遠山ってヤツは!!(名前は適当)
まぁこんなクラスで1年耐えたおかげでちゃんは強くなったんだ....
さ、次回はバレンタインデーだよ
                                     2月8日 砂来陸