進もうとしたら躓いて

そのたびに、何かをなくした

そして

そのたびに、何かをみつけた



本日ハ晴天ナリ





気丈に振る舞って最後にそれだけを言った

席から立ち上がったときマサキと目があって何か言いたそうだったけど 無視した

足早に店を出る


「・・・・泣くもんか これくらいで」


泣いてなんかやんない






唇を噛みしめて大通りを歩いていく

血が出るほどはなかったけどそれなりに痛かった

だけどそれでも止めないのは

その痛みを涙の理由にしたかったのかもしれない

周りなんて見てる余裕なくて気が付いたら目の前に2人の男が立っていた



ヤな予感



貼り付けたような笑みで立っている2人の男は

「彼女っそんなに急いで何処に行くの?」

「俺たちと遊ばない?」

さいっっっっっってい

思わず顔を上げてしまったら

泣きそうな顔を思いっきり見られてしまった

「あれ〜?もしかして彼氏と喧嘩でもしちゃった?」

「かっわいそー俺たちが慰めてあげるよっ」

違うし 

それにあんた等に慰めてもらう必要ないし

一人の男がの腕を掴んできた

「さわんないでっ」

思わず払う

「気が強そうな所も可愛いねー」

「急いでるんです。そこどいて下さい」

睨みつつそういうけど通じない

「そんな怖い顔しないでよ。俺たち一緒に遊びたいだけなんだって」

だったら 2人で一生遊んでろ

「だからさーその辺でちょっとお茶だけでもしない?」

「おっ、それいいねーそうしようよ」



やばい



思わず後ろに後ずさるがあっという間に捕まえられた

それも思いっきり腕を掴まれた

男女の力の差は歴然で

痛かった

「ちょっ・・・・「人の連れに何してんだよ」

肩を引き寄せられた

「マサキ・・・?」

私のすぐ後ろに立っているのは確かにマサキだった

「俺もいるぞ」

「ロク・・・」



なんで?



何でここにいるの?



2人の男はマサキとロクの気迫に押されて(だってマサキ達の方が身長高いし)たじろっている

「そういうわけだから」

半ば引きずられるような形でマサキとロクに連行された

ナンパ2人組はというと

かなわないと認めたのかそれ以上追っては来なかった

しかし

「ちっ、高校生のくせに中坊といちゃついてんじゃねぇよ」

待てこら

果てしなくふざけた捨て台詞を言われた

プチッ ←何かが切れる音

「誰が高校生よ 私はまだ11才よ!小学6年生!!小学生にナンパ仕掛けてきたくせにふざけたこと言うなぁ!!!!」

思いっきり叫んだら ナンパ2人組だけじゃなくてマサキ、ロクまですっごく驚いた顔をしてきた

かなり失礼だと思います

引きずられつつも思いっきり睨んでやりましたとも






「・・・・翼と五助は?」

もしかして怒って帰ったのかな・・・・

そう思って恐る恐る尋ねると何故か2人ともちょっと笑った

「?どうしたの」

「いや、ちょっとな」

「翼は怒ってねぇよ。ただちょっとな」

だからそのちょっとって何ですか

結局、何度聞いても2人は教えてくれなかった

そうしてまた○ックに戻ってきた


「いらっしゃいませー」

さっきと変わらない店員さんの声

なんだか時間が戻ったみたい

翼と五助はさっきと同じ席に座っていた

ピーンと自分の中で空気が張りつめるのを感じる

「よぉ翼、大丈夫かよ」

ほんのり笑いを含めた言い方でロクが翼に尋ねる

(大丈夫って何が・・・・?)

ちょっと翼の事を覗き見すると首にタオルが掛けられていた

ついでに言うと髪が洋服がちょっと濡れてるっぽい

(何かあったの?)



「ほら、とりあえず座れよ」

そう言われて促されたのはやっぱり翼の正面

でも

「うん」

席に着き鞄を横に置く

そして

翼と正面から向かい合う



「悪かったよ」



え?

それはあまりにも突然で

その言葉を翼が私に向かって言ったんだと理解するまでにはちょっっと時間がかかった

「確かにの事、女だって分かって・・・ちょっと軽蔑してたかもしれない。だから・・・・悪かった」

緊張の糸がプツンと途切れた

私ハココニイテ良イノ?

「俺達さ、またとフットサルやりてぇんだ」

と五助


私は心のどこかで怖かったのかもしれない

面と向かって「おまえはいらない」って言われるのが

あの時みたいに

私だけを置いて行かれるのが

自分を否定されるのが



だから逃げたんだよね



「ありがとう」



色々言いたいことはあったけど

一番最初に伝えたい言葉はこれだから

とびっきりの笑顔で伝えたい

でもそれは作った笑顔なんかじゃなくて

本当に嬉しくて自然になった笑顔だった



「ところでそのタオルはどうしたの?」

さっきから気になっていた質問をしてみる

が、翼は答えてくれなかった。かわりに五助が

を慌てて追っかけようとしてジュースを持った客にぶつかったんだよ
 で、頭っからジュースを被ったんだよな」

ニヤリと五助は翼を見る。翼はバツが悪そうな顔をしている

「あーんな取り乱した翼見たの初めてだよ」

「そうそう」

そんな楽しい雑談を交わしながら5人でお昼ご飯を食べた





〜おまけ〜

「そういえばさ」

「何?」

、年も本当は中2じゃないんだろ?」

ポテトを頬張っているときいきなり翼が尋ねてきた

「何で分かったの!?」

「やっぱりな」

でもあれは翼達が勝手に勘違いしたんだよね・・・・?

本当に何で分かったんだろう

「どう見ても高校生にしか見えないしな」

は?

待てこら ←本日2回目

手に持ってるポテトがちょっといびつな形になってきた ←手に力が入って

マサキと五助がかなりヤバイって顔してる

えぇ本当にやばいわね

それも今日2回目だからけっこうきてますよ

「確かに高校生にしか見えないかもしれないけど
 
 私はまだ11才よ! 小6!!翼よりも3つも年下よ!!!」

店の中いっぱいに広がる大声で叫んでしまった・・・・

恥、なんてもんじゃないくらいの大注目の中

私は噛みつかんばかりの勢いで翼に怒鳴っていた




その後?その後はマサキ達に必死になだめられて何とか丸く収まりましたよ

Next

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無駄に長い!!!!!!!
もぉどないしましょ〜
こんなのでも続きを読みたいって言ってくれた方々に悪いって本当に思ってます!!
すみません!!
でも、やっと翼さんと仲直りできましたね。おめでとうちゃん
                                       2月3日 砂来陸