ホスト(仮名)とナンパ男1 2号(仮名)

あなたならどっちを選びますか?




本日ハ晴天ナリ





「ありがとうございました」



車の助手席に座り運転手であるホスト(仮名)に頭を下げた

そうは前者を選んだ

と、言っても選んだもなにもホスト(仮名)は私が朝落としていったという家の鍵を届けに来てくれたらしい

それも帰りが遅かったからわざわざ探して。

鍵落としてたなんて全然気付かなかった・・・手の中に収まっている玄関の鍵を見ながらちょっと複雑な気持ちになる。って話がずれたね。

あの後ナンパ男1 2号(仮名)はホスト(仮名)を見てオーラの違いを感じ取ったのか

って自分で言っててオーラの違いってよく分からないけど・・・普通にホストの方が位が高い感じがしない?

とにかくナンパ男1 2号(仮名)はすごすごと退散していった

で「同じ所に帰るんだし乗っていきなよ」とホスト(仮名)に誘われたので

助手席に座らしてもらった



そして現在に至る

(よくよく考えたら私この人の名前も知らないんだよね....)

「よかったね あんなのが一番タチ悪いからな」

全くです ていうかあなたはホストの仕事いいんですか

「すみません 助けてもらった上に車にまで乗せて頂いて・・・・・

あの。ちなみに今日お仕事の方は・・・・?」

「あぁ、昨日遅かったからね今日は休み」

じゃあなんでそんな高そうなスーツ着てるんですか それに帰ってきたの今朝でしたよね

「それよりすごい荷物だね」

ホスト(仮名)は私が持っているスーパーの袋と鞄をみてそう言った。

「まだ小学生なのに大変だね」






小学生?


うっわぁ初めて初対面の人に小学生って言われたよ!!(それはそれで悲しいということに気付こう)

すごいこの人一流のホストなんだね!(何で)

「今朝あの後、君のお母さんに遇ってさ、びっくりしたよてっきり高校生だと思ってたからね
 
 もうすこしでロリコンになるところだったよ」

今さりげなくすごいこと言いませんでした?

「あ、ちょっとコンビニに寄って良いかな?晩ご飯を買っとかないと」

「は?」

思わず聞き返してしまった

「だから晩ご飯・・・・」

ちょっと待って この人今なんて言った?

コンビニで晩ご飯を買う?ありえない!!

「・・・・いつもコンビニ物なんですか?」

できるだけ声を抑えて聞いてみる

「イヤ いつもって訳じゃないよ」

よかった・・・そうだよね いくらなんでも毎日コンビニ弁当なんて

「普段はお客さんと外食してるからね」

ごん

思わず前のめりに倒れてしまって車のガラスにおでこをうちつけてしまった

痛い・・・・

だってこの人普段は外食その他はコンビニって言ったんだよ!?

「だ、大丈夫かい?」

おでこをぶつけたことを心配してくれてるらしい。しかし

「それはこっちのセリフですよ!!コンビニ弁当と外食なんかでよく生きてられますね
 いったいあれにどれだけの着色料と香料と保存料その他諸々が使われてると思ってるんですか!?
 それにコンビニは24時間開いてて確かに便利ですけどほとんどの物が定価じゃないですか!!
 買うんだったらコンビニよりスーパーでしょう!?」←ちょっと視点がずれている

はそこまで一気に喋ってようやく我に返る

ホスト(仮名)は唖然としていた そして

「すごいね・・・・」

と一言だけ呟いた

(やってしまった・・・)

普段から料理をしているとしてはコンビニ弁当で食事を済ますということが納得できなかったのだ

「じゃあ今日のご飯はどうしようかな」

どうやらコンビニに行くのは諦めたらしい

「私が作りましょうか?」

そうは声を掛けた

(だってコンビニに寄らなかったのって明らかに私のせいよね)

「いいのかい?」

「助けてもらったお礼です」




一回アイスを家に置いてきてお隣さんにやってきた

「ちょっと散らかってるけど気にしないでね」

そういってお隣さんはドアを開けてくれた



「おじゃましまーす....」

散らかってるという前置きでかなり身構えていたがお隣さんの部屋はそこまで散らかっていなかった.....わけじゃない

まず目に飛び込んできたのは脱ぎ捨てられた洋服達(ソファーの上に散乱してる)

しかしあんまり部屋をじろじろ見るのも悪いと思い早速台所に向かう

そこで見たものは 洗っていない食器の山とゴミ袋に大量に押し込められているゴミだった(しかも分別してない)

「(絶句)....」

なんでこんな所で生活してられるの!?

「空いてるところでちゃちゃっと料理してよ」

空いてるところ......空いてる所なんて無いんですけど


「お隣さん」

微妙に一つ間を置いてはお隣さんの方を向いた



「大掃除をしましょう」



(俺 何やってんだろ)

この部屋の住人 風祭功はによって仕分けされた洗濯物(洗っても良い物と駄目な物)を洗濯機に運んでいた

はというと台所で食器を洗っている....と思ったら食器はあっという間に洗い終え

さっさとゴミの分別に移っていった



なんて手際がいいんだ....!!

功はすごく感動した



功が洗濯物を洗い終わる頃にはゴミの分別 部屋の掃除さらには料理まで全て終わらせて

テーブルに出来上がった品々を運んでいた

ちなみに今日の夕飯
・香味野菜ごはん
・豚汁
・浅漬け-他2品



「お口に合うか分かりませんけど」

「いや・・・・むしろお口を合わせます」

そしてお隣さんはおいしいおいしいと言いながら食べてくれた

「あの 掃除の時思ったんですけどそこの段ボールの山は何なんですか?」

そう何故かこの部屋の片隅には段ボールが積んであるのだ

しかも中を覗くとPCや高価そうな時計 巨大なぬいぐるみなどなんとも言い難いものばかりがはいっていた

「それも全部新品だし・・・・」

「あぁ何か欲しいのがあったら持っていって良いよ」

「え?」

「あれねーお客さんからのもらい物なんだけど使わないからああやって段ボールにいれてあるんだよね

 だから何か欲しいのがあったら貰って行ってよ。なんなら段ボールごとでも構わないから」

はもう一度段ボールの中を見る

「本当に良いんですか?」

そういいながらもはもうある物を手に掴んでいた

実は この中に欲しい物があった。それは巨大なクマのぬいぐるみ!!(しかもビーズクッション)

「どうぞどうぞ」

やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

「ありがとうございます!」

もうしっかりとぬいぐるみ(命名正之助)を抱いては言った

「で、お代の方なんだけど」

ボテ←正之助落下音

お代ってお金のことですよね・・・・? とるんですか!?

「はい これ」

そう言ってお隣さんは手を出したから思わず「請求書か!?」と身構えてしまったが

「・・・・鍵?」

そうそれは至って普通の鍵だった。それもが持っている物と酷似している

・・・・ということは部屋の鍵だよね

「これからもちょくちょくと部屋の掃除に来てよ まぁいわゆるメイドさんだね」

メイドってあなた・・・・




YES or NO ?







「お引き受けさせて頂きます」

鍵を受け取る

まぁ毎日じゃないし何より正之助には変えられないしね!!←こっちの方が重要


-そして帰るとき-

「風祭功だから」

「は?」

玄関から出ようとしたら突然そんなことを言われた

「俺の名前 ちゃんずっと『お隣さん』って呼ぶからさ。もしかして名前知らないんじゃ無いかと思って」

すみません思いっきり知りませんでした

「『風祭』さん・・・・」

「功」

・・・・・名前で呼べと?

仮にも年上なのに!?

「じゃあ功さんで」

さすがに君付けや呼び捨ては・・・・・という訳で『さん』付けになった

「それじゃ 次からは可愛いメイド服準備しておくから」

いいですそんなもの準備しなくて



という訳で私、三上 本日より風祭家のメイドさんになりました



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------------後書き---------------------------------------------------------------------------------
はぁ〜やっと終わりました(^^;)
ながかったですねぇ.....
これでようやく主人公との接点が生まれました
というかホストというものはあんな訳の分からないものを貰う物なのか?
                                        1月7日 砂来 陸