「は?」
「おーいここのゴールちょっと借りるぞ」
ちょっとまった
「あのー亮さん何をなさるんで・・・?」
「PK」
「は?」
本日ハ晴天ナリ
「心配するなって、ほんの2,3球だよ。それにPK得意だったろ?」
いやいや誰もそんなこと心配してないよ亮。てか何でもうやることが決まってるんですか
何がなんだか分からないうちに私はコートの中まで引きずり込まれていた
本当に。文字通り引きずられました
「イインデスカ 部外者が入って」
「俺が許す」
わー見事な俺様っぷり
「ケータイとか持ったままなんだけど」
「んなもん笠井にでも預けとけ」
いきなり話に出された笠井くんはかなり驚いてますよ。「え、僕?」なんて言ってるし・・・
なのに亮は笠井くんを呼びつけた。亮って絶対後輩には人気無いと思う
「俺様な兄貴ですみません」
こっそりと笠井くんだけに聞こえるような声で言うと「いいえ」とちょっと笑いながら言ってくれた。
いい後輩持ったなぁ 亮は
亮に渡されたキーパーグローブを着用しつつふと懐かしい事を思い出した。
昔、亮がまだ家にいるとき暇さえあればいつも一緒にサッカーをしてた
それも決まってPKの練習。おかげでキーパーは(キーパーだけは)亮より上手かった
っていうか亮は手加減ってものを知らないから半拷問でスパルタ教育みたいだった所為なんだけどね・・・
今思うとよくあんなの耐えてられたなぁって思う・・・(遠い目)
でも亮が武蔵野森に行ってからはサッカーやめて家事一筋(?)になって・・・
小学校のクラブでたまにバスケットはしていたけどサッカーは全く
だから約1年半ぶりのPKな訳だ
さっきあれだけ嫌がっておいてなんだけど ちょっとワクワクしてきた
さて、グローブもはめて準備完了!いつでもこい!!(なんだかんだ言って結局やる気)
-PK開始から5分が経過-
ありえねぇ・・・なんで1球も決まらねぇんだよ!?
そう、みかみんこと三上亮が放つシュートは1回もゴールネットへ届くことなく全てに止められていた。
「てめぇぜってー背伸びただろ!?」
もはやかなり無関係なことを叫びながらも亮はボールを蹴り続けた
最初に2、3球と言ったことなどもう頭の片隅にも残っていないのだろう。
その辺に置いてあるボールから挙げ句の果てには後輩から奪い取ってまでとにかくボールを蹴り続けた。
「それは関係ない!!てかケンカうってんのか!?」
実は自分でも「ちょっと身長伸びたかも...」と気にしだしていた(だってすでに161センチあるんですよ!?)を叫ばれも
大声で返しながらもきっちりゴールは守っていた
ていうかゴールが決まらないからって何逆ギレしてんのよ 馬鹿亮!!
もうそろそろ2ケタ代のシュートをキャッチングしつつは心の中でそう突っ込んでいた
「ケンカ売ってるのはそっちだろ!!」
かなりヤケになってる亮。きっと自分でも何を言ってるのか分かってないだろう
「なんでだよ!?」
もう何がなんだか分からない事になってきた頃
「俺も混ぜて下さい!!」
そんな声と共にボールが飛んできた
-----後書き-------------------------------------------------------------------------------------------
やっと3話が終わりました(^^;
は男装中なんで男言葉で頑張っていますが読みづらくありませんでしたか?
すみません陸に文章力がないもので.....m(==)m
最後に出てきたのだれだか分かりますよね?
ではもしよければ4話もよんでください
砂来陸