『まずは君のいうサイキックについて。これについてはいくつか事例があったよ』

『君ほど明確に力を使える人はいないみたいだけど』

『自分の意思とは関係なく何百キロもを移動する、そういう例はいくつかあった』

ほんの少し、驚きが混じった声色で神田さんが訳してくれた

「そうですか」

それに対する私の反応は我ながらそっけないものだった





世界の終焉にようこそ8
(サイキックガァル)




なんで驚かないのか、と聞かれれば

「私も本ではみたことあるんです」

というしかない

テレビで特集だってやってた

私じゃないけど

確かにそんな人達がいるのだ

この時代にヤラセはあるのかな

テレビ見てるときは絶対ヤラセだと思ったけど

本もいくつか読んだことがある

だけど…正直、私を安心させるような記述は一つも見つからなかった

あ、でも名前がわかったときは少し安心したな。

テレポーションって言葉があることに

論理なんて無視して

私はここに存在する

『…じゃあわかってると思うけど今まで原因が解明できた事例はない』

「はい」

そんな顔しないで下さい。コムイさん

「私、大丈夫です。ご迷惑ばっかりかけてごめんなさい。本当に大丈夫なんです。

 力は、きにしないで下さい。が、頑張ってコントロールもします。だから、あの

「落ち着け」

ぺし、と頭を叩かれて止まった

『神田!何してるんですか女性に暴力ふるうなんて!』

『うるせぇ。モヤシ』

「いいか。何が起こったのかわからないのはお互い様だ。だから誰もお前を責めてないし追い出すつもりもない。」

「・・・」

「返事は」

「はい・・・」

『コムイ続けろ。結局コイツはどうなるんだ』

『(あれデジャヴュ?)あ、うん。とりあえずはさっきも言ったように教団で生活してもらうよ。

 保護って形になるね。その力について調べさせてももらいたいし』

「力を実践してもらうこともある。いいか」

「はい。出来るかぎり頑張るので…よろしくお願いします」

『…本当に神田と同じ日本人なんですか?どうしてこんなに違うんでしょう?』

『わーアレン君正直だねぇ』

『五月蝿い』

あ、れれ?

また会話に取り残されてしまった

私のしなきゃいけないことはまず言葉を覚えることだだな

・・・神田さん教えてくれるかなぁ

どこまでも他人本意な自分に凹む

ちゃん』

名前を呼ばれた

『不安もあると思うけど、頑張ろうね』

「・・・?」

『神田君訳してよ。固まっちゃったじゃないか』

『・・・別にいいだろわざわざ訳さなくても』

「??」

「一応こいつが室長だ」

「(室長…?た、立場がわからない…)え、とよろしくお願いします」

『なんていったの?神田くん』

『挨拶だ』

『(まずはコミュニケーションからだなぁ)よろしくね、ちゃん』

神田さんは訳してくれなかったのでへにゃり、と曖昧な笑顔で終わった