『ラビ!?』
『おーアレン久しぶりさぁー』
『なんで壁壊れてるんですか?』
『いやーちょっと勢い良すぎて・・・』
ガチャ
『あぁあー僕の部屋が・・・!』
『あ、コムイ久しぶりー』
世界の終焉にようこそ14
(サイキックガァル)
黙ってるのもちょっと辛くなってきた・・・
私は相変わらず神田さんに担がれたままでお腹からくる振動に呼吸のタイミングが難しい
ピタリと振動が止まる
う?
コムイさんの部屋に着いたのかな?
ドアが開く音とコムイさんの話声
『またイノセンスで上がってきたのかい?部屋がめちゃくちゃじゃないか・・・』
「か、神田さん、もう、大丈夫です」
「・・・」
お腹に回された手に力が入る
足が地面にペたりと下ろされる
う、ん大丈夫
まだ少しだけクラクラするけど立てる
『あーっ!』
ビクッ、肩が跳ね上がる
こ、この声・・・!
『え、何?』
『どうしたんですか?ラビ』
あ、わ、間違いない!
間違いない、のだ
ぎこちなく首を動かして振りかえる
『さっきのが超能力だったん?てっきり俺も一緒に跳べると思ったさー』
っ、
「どうしたんだ?」
ほとんど条件反射だった
「や、あっ・・・!」
「!おいっ」
『え?』
『ちゃん?』
キィン、と耳鳴りがする
足から指先から温度が上がってくる
つくづくこの身体は自己防衛本能が高い
ガッ
「、」
次の瞬間、頭を強く何かに押さえつけられた
息が、止まった
「落ち着け!」
『わあっ!神田何してんですか?!』
この声は・・・アレンさん?
「」
「・・・はい」
「話が逸れる。力を使うな」
「は、はい」
一応返事をしたものの今、どんな状態なんだろう私
視界は真っ暗でわからない
『・・・おい、お前コイツを知ってんだな?』
『さっきこの部屋で会ったんさーてか、って言うの?さっきは自己紹介もできなかったんさー』
「」
「は、はい」
「力を使ったのはコイツを見たからか?」
コイツ、と言われても今の私の視界は見事に真っ暗
だけど間違いないだろう
あの声と強烈な赤い髪は忘れない
「・・・はい。あ、のちょっと・・・びっくり、して」
語尾がだんだん小さくなる
視線が自分に集まるのが怖かった
『みんな何してるの?』
また、知らない声が響いた
真っ暗だった視界がまた突然明るくなった
神田さんに抱きしめられてたんだ、って気づくまであと少し。
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