何て言うか・・・
私ってすごい確率で人と出会うみたいです
本日ハ晴天ナリ
うん、今の気持ちを一言で言うなら・・・「私って神様に嫌われてるんだね」
イキナリ名前を呼ばれて不審そうな顔で私を見ている桐原さん
そして間に挟まれて相変わらず綺麗な女の人
冷や汗ダラダラの私
「総一郎さんの知り合い?」
女の人の問に、わずかながらに桐原さんが首を傾げる
「いいや・・・・君。どこかで会ったことがあるか?」
大丈夫です、桐原さん
間違いなく私と桐原さんは初対面ですから
「い、いいえ・・・」
これ以上に何て言えばいいでしょう
『初めまして?』
なんか微妙だ・・・
『こんにちは』
これは馴れ馴れしすぎるだろ
桐原さんの事を知ったのはサッカー大好き人だったお父さんのお手製スクラップが始まりだった
お母さん曰くお父さんの運動神経は皆無に等しかったらしいけどサッカーを観るのは好きだったらしい
そんな訳で私の家にはサッカーに関する本は山ほどある
・・・・亮がサッカー好きなのはその辺の影響なのかな
ってそんな事はどうでもいいんです
この場をどうやって切り抜けるかを考えましょうよ!
もはや誰に対してか分からない問いかけを始めた
これはもう末期の症状です
「お名前聞いても良いかしら?」
「へ?」
無駄に口を開けたり閉じたりして、何を言ったらいいか考えていると(その動きは我ながら金魚みたいだった)
綺麗な女の人の方が声を掛けてきた
それが名前を聞かれてるって理解するのには数秒掛かって
「え、あ。
三上です。三上と申します!」
今時、申しますなんて可笑しいって気付いたのは言った後
私は相当 焦っていたんだろう
「三上?」
あ
・・・・・もしかして
ううん、もしかしなくても
「もしかして君は・・・三上のお姉「初めまして、桐原さん。
私、三上亮の妹のと言います。兄がいつもお世話になっています」
ふぅ・・・危ない危ない
今思いっきり聞きたくないセリフが聞こえてきそうになって
思わず桐原さんの言葉を遮って喋ってしまった
あぁ桐原さんがあっけにとられてるよ・・・
そして美人な女の人は相変わらずにこにこと笑顔だよ・・・
「あ、あぁ。
三上の妹さんだったのか・・・」
まだ、ほんのり呆然気味ながらも桐原さんはそう言った
「はい」
私ってば将君の試合を見に来たハズなのになんだか全然違う方向に進んでる気がするよ・・・
あれ?
そう言えば何で桐原さんがここにいるの?
入院してたんじゃなかったっけ?ついこないだ救急車で運ばれたんだよね?
・・・聞いてみようか?
いきなり、本当にまだ赤の他人に等しい関係の私がいきなりそんな事聞くのもどうかって思うけど
(ここで桐原さんに会えたのも何かの縁だよね?)
意を決しては顔を上げた
「あの、あ・・・兄に聞いたんですが入院していたそうで・・・・
もう身体の方は大丈夫なんですか?」
兄に聞いたなんて嘘だけど
それどころか普段、兄なんて呼んだりもしないけど
これはせっかくのチャンスだと思って思い切って聞いてみた
と、私としては一世一代の大胆行動のつもりだったんだけど
何故か隣にいた美人な女の人に笑われた
何故?
「こんな可愛い女の子にまで心配掛けちゃって・・・・総一郎さんもスミに置けないわね」
え、え?
よく分からないが桐原さんは未だに笑っている美人な女の人を見てはばつが悪そうな顔をした
え?
「あのね三上さん
この人、確かに入院してたけど実際は胃に穴があいただけで全然大したことなかったのよ」
「は?」
胃に・・・穴が開いただけ?
それってストレスで?
「もう殆ど直ってるんだから」
「そうなんですか・・・」
・・・・なんだか拍子抜けしちゃったな・・・
いや重い病気じゃなかったわけだしむしろ良かったんだよね?
「これから、延長戦始めます!!」
すっかり話し込んでいて、試合を全然見ていなかったら
審判がそう言った
その声でようやく私は試合を見に来たんだって思い出して(思い出すの遅いなぁ)
それからはしっかり試合を見ることにした
最初は移動するか悩んでいたけど
試合が始まるとそれどころじゃなくなって
結局その場所で試合観戦をした
めまぐるしく変わる攻守
ハラハラして
それでも魅了していた
「すごい・・・
ウイングバック入れてサイド攻撃なんて・・・」
雨が降ってグランドコンディションが悪い時はあまり荒れていないサイドを使う
プロサッカーなんかではそれが普通みたいだけどまさか中学校でそこまで読んで実行してるなんて・・・
「君はサッカーに詳しいのかい?」
食い入るように試合を眺めていたらそう声を掛けられた
心の中で呟いていたつもりだったけど思わず声に出していたらしい
「はい。
サッカー好きなんです」
詳しいって・・・まぁその辺の女の子よりは詳しいだろうけど
あんまり意識したことないからな
というか私は女友達が殆ど居ないからな・・・(比較相手がいない・・・)
「タイムアップ!」
「あっ」
また、思わず声が出てしまった
「PK戦」
うっわー・・・心臓に悪いなぁ
桜上水の方はやっぱり不破君がGKかな・・・責任重大だよ不破君〜っ
「三上さん」
「はい?」
もう本当に文字通りフェイントに張り付いて見ていたら後ろにいた美人な女の人が傘を指さしていた
?
「雨、上がったみたい」
あ。
慌てて傘を閉じる
(って傘閉じたら顔丸見えじゃないですか!?)
やばい
こんな見晴らしの良いところから見てる場合じゃないですよ!!
功さんやおやっさんに見つかる分はまだ構わない
でも将君だけは駄目
・・・いや、この格好は誰にも見られたくないや
-------------後書き----------------------------------------------------------------
うっわー文章の繋がりが全く分かりません
本当に無駄にながいなぁ
あわわ・・・
9月20日 砂来陸