ドリーム小説









ずっと綺麗なままじゃいられない



だけど人間は



自分の力で修復できるんだよね?









本日ハ晴天ナリ













邪魔をしないようにそっと部屋を出る





と、部屋を出ると直ぐに功さんと出くわした



キチンとスーツを着ているところを見るとこれから仕事なんだろう



「・・・・将のヤツまた何かあったの?」



こそっと小声で問われた



・・・う〜ん何て答えたらいいんだろう



まぁ、とりあえず



「コーヒー淹れましょうか?」



「お願いするよ」



一服しながらお話しましょうか





「友達と喧嘩しちゃったみたいなんですよね。それも殴られたような怪我をして」



熱いブラックコーヒーを淹れて功さんに渡す



「ありがとう。



  ・・・・あの将が殴り合いの喧嘩?」



そうなんです、あの将君が



「それがまた複雑で・・・」



と、そこまで言ったところで将君が部屋から出てきた



ぱっと口を噤んで台所に引っ込む



だって本当は勝手に話して良いことじゃなかったから



それに





きっとキョウダイだから言えること、もあるだろうから





将君と功さんの会話には一切口をはさまないでおいた







そっと話を聞いてて やっぱり、と思った



(すごいなぁ功さんは・・・)



将君に必要な言葉をズバッと言ってしまう



将君も・・・功さんと話して笑顔になっていった



(やっぱりすごいなぁキョウダイって・・・)



良かった、って思う



でも反面



羨ましいなぁとも思った





(私も、功さんみたいに誰かの役に立てる人になれればいいのに・・・)





私は色んな人に支えられてる



だから



それと同じくらい人の支えになりたい





(将君の支えにもなってあげたいな)





将君の言葉はいつも私を救ってくれる



それに対して何も出来ないでいる自分がとても悲しく感じた





ちゃん」



「はいっ?」



自分の世界にトリップしていたら将君に呼ばれた





「頑張るね!僕・・・水野君と本当に友達でいたいから」





将君の言葉は



まるで風みたいだ



私の心を吹き抜けていく



それもとても軽くして





「ちょっと出かけてくる」



笑顔で出て行く将君に私も笑顔で「いってらっしゃい」と言った





本当に笑顔で言えた





「功さんって本当に将君のことよく分かってるんですね」



ポツリとそんなことを漏らしてしまった



「え。そうかな?



 俺から見ればちゃんの方が将の事良く分かってるみたいだけど」



「え?」



「ほら、将ってあんまり人に相談ってしないんだよね。



 今までは俺がよく相談に乗ってたんだけど・・・最近はちゃんに話す方が多いみたいだから」



・・・・そんなこと思いもしなかった



「まぁそれは兄として嬉しくも寂しくもあるんだけどね・・・・」



「何ですかソレ」



前から思ってたけど功さんってちょっとブラコン気味なのかな・・・



「じゃ、俺もそろそろ・・・・」



時計を見て、立ち上がる功さん



「あ、お仕事ですか?」



まぁあの格好だったらお仕事だろうけど・・・いやデートもあり得るか



「そうなんだけど・・・いけね 遅刻だ」



ゆっくりしすぎましたか



「コーヒー御馳走様!それじゃ、後任せて悪いけど・・・行ってくるね!」



「はい、お粗末様でした。気を付けて」



バタバタと去っていった功さんの残していったコーヒーカップを流しに浸けて



さっきの出来事を思い出す





ねぇ将君



私も



ほんの少しは将君の役に立ててるって



思ってもいいのかな?






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----------------------後書き-----------------------------------------------------------------



一気に書き上げました;

本当は前の話と合わせて一つだったんですが・・・以上な程長くなったので(^^;)



前は早く話を進めようと必死に思っていましたが最近はもう諦めています。

一つのネタにかなりの話数をとるでしょう・・・

申し訳ないことですが(−−;)



それでもいい、って方は今後もお付き合い下さい。あしからず



                                  8月31日 砂来陸