どんなに離れていてもどんなに遠くても


誕生日に・・・


「12時10分前か.....」

読んでいた本から目を離しはベットの上に置いてあるケータイを手に取る

正之助を抱きながら二つ折りのケータイを開く

「そろそろいいかな?」

アドレス帳から目的の人物のものを探し発信


1月21日


亮の誕生日まであと10分を切った

?』

「こんばんは」

亮は2回コールですぐに電話に出てくれた

『どうしたんだ?こんな時間に』

こんな時間って、こないだ夜の3時に電話掛けてきた人には言われたくないなぁ

「もうすぐ亮の誕生日でしょ?だから」

『あーそういや明日だな』

たぶん自分の誕生日なんて覚えてなかったんだろうな。亮ってそういうやつだから

「プレゼントは無いよ」

『分かってるよ』

三上家には変わった家訓がある

それは家族の間では誕生日のプレゼントをやりとりしないこと

ケーキとかは準備してもプレゼントというものは無い

それが普通だって思ってたけど他の家は違うみたいなんだよね

まぁ亮なんて学校の人からたくさんもらえるみたいだしいいよねぇ

あ、プレゼントといえば.....

「亮、学校であんまりプレゼントもらわないでね」

『何?ちゃんはお兄ちゃんがプレゼントもらってくるのが嫌なの?ヤキモチとか?』

今うちのバカ亮は俗に言う[デビスマ]というものを浮かべてると思う

『しょうがねぇなぁ まぁがそこまで言うんだったら「何寝ぼけたこと言ってるのよ去年のこと忘れたの?

去年、女の子から大量にもらったプレゼントを家に送ってきたわよね。それもまだ未開封のまま」

欲しいのがあったらやるよ。なんていうからそれなりに期待していた私

「それはそれはすばらしいプレゼントばっかりだったよね。手紙の封筒にはカミソリが貼ってあったり

愛してます愛してますって血文字で書かれた紙に人の髪が包まれてたのもや あぁ婚約届けが入ってたのもあったね」

あまりにも素晴らしすぎて涙がでたわ

「そしてその後私は原因不明の発熱と頭痛と吐き気におそわれたんですよ。あぁ懐かしい」

『..............絶対プレゼント受け取らないので勘弁して下さい』

「約束する?」

『約束する』

よし。

これ以上いじめるのはさすがに可哀想に感じたのでここら辺で勘弁してあげることにした

あと3分

それからはちょっとした最近のニュースなんかを話した

フットサルを始めたこと お気に入りの正之助のこと 今習ってる勉強のこと

あと1分

「あ、もう1分切ってるね」

『もう30秒も切ったぞ』

時間が経つのは早いものだ

あと10秒 9...8...7...6...5...4....3...2...

1....

日付は21日から22日へと変わった

一つ深呼吸をする

そして

「お 『ドンドンドン!!!←ドアをノックする音

『三上せんぱーい!!お誕生日おめでとうございます!!!一緒にゲームしましょー☆』

電話越しでもすごい大音量の声が聞こえてきた

あれはいつぞやかのジュニアユースの犬だ←確信

『うっせーぞバカ代!!!!!!!........じゃあ悪いけど切るな』  

「えっちょっと待って!」

これからゲームか。一体何時に寝るんだ?なんて真剣に悩んでいる場合じゃなかった

一番肝心な事を言っていない

「お誕生日おめでとう。亮」

『サンキュ』

たぶん笑ってくれた

声だけど何となく分かる。デビスマと違う普通の笑顔だったと思う

ピッ

カーテンを開けベランダに出る

風はないけど空気が冷たいからやっぱりちょっと寒い

「星が綺麗........」

きっと明日も晴れるだろう

寒空の空気を胸一杯に吸い込んでは家の中に引き返した


たとえ遠く離れていても心はいつも傍に

どこまでも続いている空を信じて明日も歩いていこう


-------------後書き---------------------------------------------------------------------
一日遅れのみかみんバースディ夢です
またもや「本日ハ晴天ナリ」の番外編になってしまいました(^^;)
このヒロインだといろんなネタがあふれてくるんですよねぇー(笑)
まぁなにはともあれみかみんお誕生日おめでとうございます!!
                              1月23日 砂来陸
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