サッカーはやっぱり私にとってやめられないもの




本日ハ晴天ナリ





黒い帽子にパーカー&ジャージ生地のズボン もうおなじみになってしまったこの格好ではフットサル場にいた

お母さんに写真を届けて以来二度目のフットサル場だった

すでに何チームかに混ぜてもらいそこそこサッカーを楽しんだ



(まぁゴールキーパー専門だけど)


そう はゴールキーパーしかしない。正しくは出来ない

理由はフィールドプレイが全く出来ないから

普通ならヘッドで取るべきボールを反射的に手でとってしまうのだ


「はー。これからどうするか」


一服を兼ねて自動販売機で買ったジュース(ア○ノ酸)を飲みながら呟く



「ちょっとアンタ。暇なら助っ人してよ」



横を見ると声の主らしき人(女の子)と3人の男の子が立っていた

声を掛けてきた女の子はかなりかわいい顔をしていた

自分以外にも女の子が(って今の私は男装中だけど)いるなんて思ってなかったからちょっと嬉しくてそしてちょっとびっくりした

だって明らかにリーダーシップをとってるのはこの女の子

(もしかしてうしろの男の子は舎弟とか・・・・・?)

真剣にそんなことを思ってしまった

「いいけどゴ「知ってるよ。キーパー専門なんだろ?それでいいから入ってよ」

声の主、仮にAにしておこう。Aはそう言うとさっさとコートに入っていった

もちろん残りの3人も一緒に

どうやら対戦相手はもう待っているらしい

慌てて残りのジュースを飲み干しもコートに入る

置いてあるグローブをはめ本日3回目のフットサルの開始だ




結果は圧勝だった9−0

は1点も許さず きっちりゴールを守り抜いた

「おつかれ」

3人の中の一人 色黒が終わってそう声を掛けてくれた

「ドモ」

下手に色々喋ると女だとばれそうなのでできるだけ返事は短くしておく

「アンタやるじゃん」

今度はAがそういって肩をたたいてきた10センチくらい身長差があるのに・・・



「俺は椎名翼。こっちが黒川マサキに畑六助と五助。でアンタは?」

・・・・なんと

どうやらAは男だったらしい。ごめんなさい。何の疑いもなく女の子だと思っちゃいました

「三上。よろしく椎名 黒川 畑」

「名前でいいよ。俺達もって呼ぶから」

男の子に名前を呼ばれるのって(それも呼び捨て)結構抵抗があったんだけど今の私は男装中だからあえて突っ込まないでおいた

それに名前で呼んで良いって事はそれなりに認められたって感じもしたから

それから、結構意気投合してそれから翼達とおしゃべりに没頭した

「へーじゃあ4人とも飛葉中なんだ」

「俺とロクが中1 翼と五助が2年だ」

「ホントはもう一人いるんだけどな。ナオキって」

「なんか『行きたくない!!』って言い張ってこなかったんだよ」

「どーしたんだろうな」

へぇ。じゃあ私はその人の代わりってわけね

それよりみんな年上だったんですね・・・・翼は小学生かと思ってたのに

は?」「見た事ねーけど?」

ロクと五助が交互に尋ねてきた


「年はマサキ達と一つ違い。ここには初めて来た。地元の人間じゃないから」

嘘は言っていない私は間違いなくマサキ達と一つ違いだから

間違って解釈されても決して私のせいじゃない

「じゃあ俺と同い年か。どの辺に住んでるの?」

いや、翼とは3つ違いなんですけどね

うん、いいよ。どうせ年を間違われるなんて日常茶飯事だし!(自分で言っててちょっと凹んだ)


「桜上水」


バスで約30分もかけて来ていると伝えるとちょっと驚かれた


突然ポケットに入れてたケータイのバイブが震えた

(そういえば19:00にセットしてたんだっけ....)

ポケットから引っ張り出すと思った通りディスプレイには「19:00」が表示されていた

「何。帰るの?」

横からケータイを覗き込むようにしてきた翼がそう訊いてきた

「うん。今日はもう帰るよ」

そう言ったら4人ともそれなりにつまらなそうな顔をしてくれてうれしかった

「じゃあケー番交換しようぜ。っと俺今日携帯忘れたんだった....」

ドンマイ

「俺持ってるぜ」

結局、今日持っていたのはマサキだけでお互いの携帯番号とメアドだけ交換した

「暇になったら連絡しろよ」

どうやら特定のチームに入っていない私のことを誘ってくれるらしい

ありがたいことだね

「それじゃ」




サッカーの力は偉大だ

おかげで今日の学校ではクラスメイト&担任に何を言われても気にならなかった

お母さんも「最近よく笑うようになった」って喜んでくれた

フットサル場に行くのは授業が5時間で終わる毎週水曜日にした

フットサルばっかりに没頭して家事や学校の勉強がおろそかになるのがイヤだから

晩ご飯の準備をしてるとケータイが鳴る

ディスプレイを見ると

『送信者:マサキ 明日いつもの場所でな』

無意識のうちに頬が緩んだ

毎週1回だけのつき合いだけど翼達とは随分うち解けた

「へぇじゃあの家は母子家庭なんだ」

もっと遅くまでやろうと誘われたのでちょっとだけ家の事情も話した

「色々と大変だろ?」

「そうでもないよ。結構楽しいし」

今日もまた3試合して後の時間は談話に費やした

フットサルをしている間は本当に楽しくってまるでまだ亮がいるときと同じ気持ちになれた

これからもこんな時間が続くものだと思ってた




でも




やまない雨が無いように終わらない幸せなんて無いんだ

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-------------後書き------------------------------------------------------------------------------------------

やっとドリームらしくなってきたぁ(^^;)
飛葉中メンバー登場です
ナオキがいない理由分かりますか?
まぁ8話を呼んで下さった方は分かると思いますが.......
ひとまず9話目も終了です
さてさて次回はどうなるでしょう?
思いっきり長くなるか思いっきり短くなるかのどちらかだと思って下さい
それでは次回も読んで頂けると幸いですo(^^)o

                                       1月11日 砂来 陸